新年へ「浄め」平和祈念像のほこり払う 31日のまつりは2年連続中止 糸満

 【糸満】沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念堂で15日、沖縄平和祈念像のほこりを払う「浄(きよ)め」があった。例年はバスガイドなど約30人が参加するが、新型コロナウイルス感染防止のため、平和祈念堂の管理運営などを担う沖縄協会の職員と、県立芸術大の学生ら計11人に規模を縮小した。

 故・山田真山氏が原型を制作した平和祈念像は高さ約12メートル、横幅約8メートル。参加者は脚立に上り、像にひび割れがないか確認しながらほこりを拭き取った。

 県立芸術大3年の吉田舜乃(しゅんの)さん(22)は「こんなに近くでディテールを見たことはない。さわり心地や強度を肌で感じて漆の力強さを感じた」と語った。

 像の制作に関わった元同大教授の糸数政次さん(66)は「コロナが早く収束するように、そして世界が平和であるように願う」と話した。

 例年31日夜から平和祈念堂で開催する「摩文仁・火と鐘のまつり」は感染拡大防止のため、2年連続中止となった。

 (比嘉璃子、写真も)

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