ロックアウトは越年が確実 本格的な労使交渉の再開は来年1月か

メジャーリーグは現地時間12月2日を迎えると同時に労使協定が失効し、ロックアウトに突入したが、それ以降に本格的な労使交渉が行われた形跡はない。「ジ・アスレチック」のエバン・ドレリッチ記者によると、労使交渉の中核をなす経済構造についての議論は、来年1月まで再開されない見込みだという。よって、ロックアウトは越年が確実となった。なお、経済構造以外の問題については議論が継続されており、日本時間12月17日にも対面形式での労使交渉が予定されているようだ。

今回の労使交渉における最大の争点は経済構造だ。年俸調停やフリーエージェントに関わるサービスタイム制度、ポストシーズンの出場枠拡大、ぜいたく税の仕組みなど、問題は多岐にわたっているが、メジャーリーグ機構(オーナー側)とメジャーリーグ選手会の主張には大きな乖離がある。ドレリッチ記者によると、双方の交渉担当者は「このまま交渉を継続しても同じことを何度も言い合うだけだ」と考えているという。つまり、労使交渉にあえて空白の期間を設けることで双方がそれぞれの主張を整理し、より建設的な議論ができるように準備を進めている可能性が高い。

また、ドレリッチ記者は「双方に労使交渉を急ぐ理由はない」とも伝えている。オフシーズンのあいだはオーナー側は入場料収入を失うことはなく、選手会も年俸を失うわけではないからだ。移籍市場の動きがストップし、各球団は選手のトレード等を行えず、フリーエージェント選手も宙ぶらりんの状態となっているが、その程度では労使交渉を急ぐ理由にはならないと考えられている。

「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者は、スプリング・トレーニングに支障が出ないようにするための「ソフト・デッドライン」が2月1日であると指摘。まずは1月中の交渉合意を目指して話し合いが進められることになりそうだ。2022年シーズンの開幕に影響を与えたくないという点では双方は一致しており、来年1月に本格的な交渉が再開されたあとは、交渉合意に向けての努力が続けられるはずだ。

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