MotoGPからアルピーヌF1のレースディレクターに転向したダビデ・ブリビオ。リーダーシップの発揮に苦慮か

 アルピーヌのレースディレクターであるダビデ・ブリビオがチームを離脱するのではないかという噂が、ヨーロッパを中心に再燃している。

 ダビデ・ブリビオは、2020年にチームマネージャーとしてスズキを20年ぶりのMotoGPタイトルに導くと、オフシーズンにF1への電撃的な移籍を発表し、現在のアルピーヌでのポジションに就いた。

 しかしシーズン後半から海外メディアを中心に、そのブリビオが3年契約を破棄してアルピーヌを離脱するのではないかと言う噂が流れてきた。

 これについては、今年11月にアルピーヌCEOのローラン・ロッシがフランスのAutoHebdなどいくつかのメディアで否定している。しかし、先週になってイタリアのガゼッタ・デロ・スポルト紙が改めて取り上げたことで、この話題が再燃した。

 ガゼッタ紙はブリビオのチーム離脱の根拠として「彼がアラブ首長国連邦に居住していてチームの本拠地である(イギリスの)エンストンから分断されていること」と「アルピーヌのトップにあまりにも多くの人物がいる」ことを挙げ、彼がチーム内で置かれている立場の難しさについて言及している。

 アルピーヌにはCEOのローラン・ロッシの他にも、エグゼクティブディレクターのマルチン・ブコウスキー、スポーティング・ディレクターのアラン・ペルマネ、さらにはノンエグゼクティブディレクターのアラン・プロストなどがチームの中枢におり、ガゼッタの見立てではこの環境が、ブリビオがリーダーシップを発揮することを阻んでいるということになる。

 同紙はアルピーヌ離脱後のブリビオの行き先としてスズキへの復帰を挙げているが、MotoGP最終戦バレンシアGP前にスズキの佐原伸一プロジェクトリーダーが「2022年の復帰はない」と明言しており、彼が実際にアルピーヌを去るかということも含めて、その去就は不透明なままだ。

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