大阪の人気豚まん店ゆかりの味を東京で 連日完売、行列も【にっぽん食べ歩き】

「東京豚饅」の商品。奥から時計回りに「豚饅」、「黒胡椒豚饅」、「XO蝦豚饅」

 大阪土産の定番、あの豚まんゆかりの味が東京でも楽しめるようになった。恵比寿に開店した「東京豚饅」は連日完売を達成、行列もできる人気だ。(共同通信=中村彰)

 「東京豚饅」の運営会社「MERCER OFFICE」の羅直也社長は「551蓬萊」(大阪市浪速区)の創業者・羅邦強氏(2003年没)の孫に当たる。直也氏は幼いころから邦強氏と暮らし、「食」に対する姿勢などを自然に吸収していった。

「東京豚饅」の外観=東京・恵比寿

 「551蓬萊」は品質にこだわり、関西以外には出店しないポリシーを貫いている。直也氏は「東京でも、できたての豚まんを手軽に味わってほしい」と出店を決意。皮の発酵度合いや中身の餡(あん)の配合などは祖父の味を再現するよう心がけた。

 作りたてを届けるため、製造工場は朝6時半に操業を開始。店で台湾出身の点心職人が仕上げの作業を行い、蒸し上げる。

 「豚饅」は1個200円と手ごろな価格。3種の豚肉を組み合わせ、かむほどにおいしさが増す。皮はもちもちとしていて、うま味にあふれている。

店内での製造作業=東京・恵比寿

 独自に開発した「小豚饅」はミニサイズの「豚饅」のほかに2種類。「黒胡椒(こしょう)豚饅」はかなりこしょうが効いていて、パンチのある一品。「XO蝦(エビ)豚饅」は大きめにカットしたエビがごろごろ多めに入っていて、かみ応えのある食感だ。小豚饅4個と「黒胡椒―」「XO蝦―」各2個のセット「組合B」は1200円。

 午前11時半開店だが、11月25日のオープン以来、連日完売が続き行列もできている。最速では午後1時半に売り切れたという。JR恵比寿駅近くの路上で「豚まん屋さんはどこでしょうか」と通りがかりの人に尋ねる高齢の女性を見かけた。人気は着実に広がっているようだ。

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