家族が慌てないために「終活」って何から始めればいいの?

まずはじめに、まだまだ考えたくないという本音もありつつ、何も備えていないまま自分が倒れたらどうなるか考えてみると、所有財産のこと、カード等のパスワード、自分のこと等をまわりの家族が知っている人はどれほどいるでしょうか?先送りせずに元気なうちにやっておいたほうが、いざというときに家族に面倒をかけずに済みます。そのためには60代も後半に入るあたりから、自分の将来のことを考え始めたほうがいいようです。
そこでまず最初に始めたいのが、
①自分のことを知ってもらうための記録をつくる
②何かあった時に知らせたい連絡先をリスト化する
③自分の資産を洗い出す
④相続の準備をする
⑤介護施設や葬儀場、霊園を見に行く
の5つです。

「終活」という言葉が生まれたのは2010年。人口の多い団塊世代が60代にさしかかったこともあり「介護施設」や「お墓・葬儀」などの話題が世の中の関心事になったことから誕生しました。それ以来、様々なメディアで取り上げられてきましたが、その分勉強できる場も増えています。
その中でもまず最初の一歩となるのが「エンディングノート」です。市販のものも多く発行されていますので、まずは手に取って自分の情報を落とし込んでみては。必要な項目に記入していくだけで、自分の様々な情報を整理することができます。
また、最近増えてきている問題がカードやネットサービスの暗証番号やパスワード。自分だけが記憶していて他の人は知らない、という方も多いのでは。もしものときに誰も知らなくて本人確認がとれないなんていうことも。こうした問題もエンディングノートに記入しておけば解決。
さらにもしものときにあなたがどうしたいか、希望の施設や葬儀のあり方、呼んでほしい人などをまわりの家族に伝えることができます。

どの銀行にいくら預けているか、どんな保険に入っていて満期はいくらか、ローンは残っているか、土地や家屋の所有はどれくらいあるか等の情報をエンディングノートに記入し、それぞれを相続したい家族を記入していても、法的な効力があるわけではありません。実は、遺産分割事件のうち8割近くは5、000万円以下、3割は1、000万円以下というデータも。相続トラブルは他人事ではありません。自分に万が一のことがあったときに家族間で相続トラブルが起きてしまうのは避けたいところです。
遺言書の作成や相続対策、信託商品などは専門職や銀行などに相談しながら進めるのが得策です。できるだけまとめて相談できる先を探すことがおすすめです。
まだまだ元気と思っていても、事故や発作など万が一のことが絶対にないとはいえないのが現実。家族のことを考えるなら、むしろ元気なうちに前向きに将来のことを考えておきたいところです。

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