「成田で陽性、沖縄入り」海兵隊員を米軍処罰 外務省は詳細公表せず

 【東京】米軍キャンプ・フォスター所属の海兵隊員が10月、成田空港の検疫で新型コロナウイルスの陽性と確認されながら民間機で沖縄入りしていた問題で、外務省は16日、この海兵隊員が米軍の法令に基づき処罰されたと明らかにした。米側との関係で詳しい経緯の公表を控えているとし、岸田文雄首相は「何ができるか外務大臣と検討する」と述べた。

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 同日の参院予算委員会で、外務省の市川恵一北米局長が有田芳生氏(立民)に答弁した。

 海兵隊員は10月30日に成田空港での陽性判明後に「横田基地所属」と虚偽の申告をした上で翌31日に沖縄に移動し、米軍基地内の検査で陽性となっていた。

 有田氏が日本人の濃厚接触者の数や事案の詳細について質問。市川氏は米側から「統一軍法典に基づき処罰を行った」との回答があったと明かした。

 有田氏は「軍紀違反だから処分は当たり前だ」としてさらに詳細な説明を求めたが、市川氏は「米側との関係もあり、お答えは差し控える」と述べるにとどめた。

 有田氏は「日本人の健康と命に関わる問題だ」として外務省に事実関係の公表を求めた。岸田氏は林芳正外相と連携し、「何ができるか検討する」とだけ述べた。

 (安里洋輔)

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