〈動画あり〉教育支援教材「トントンくん」 打楽器の演奏サポート 上教大生授業製作 全国の特別支援学校へ 広瀬さん(上越特別支援学校実習助手)考案

 上越教育大(上越市山屋敷町、林泰成学長)の学部2年生40人は、特別支援の児童生徒向けの教育支援教材「トントンくん」を授業の中で製作した。完成品は全国の特別支援学校などに送られ、子どもたちに使われる。

 トントンくんは主に打楽器の演奏に使用する補助具で、ボタンを押すとばちを振り下ろし、太鼓や木琴などをたたく。肢体不自由や病弱な子どもたちが、他の子どもたちと一緒に演奏を楽しむことができる。ボタンを外付けできることが大きな特徴で、より大きなボタンや握り込むスイッチなど、子どもたちの特性に合わせて操作できるようにしている。

広瀬さんが考案した「トントンくん」。本体のボタンや外付けのスイッチを押すとばちを振り下ろす

 県立上越特別支援学校実習助手の広瀬政春さんが7年ほど前に考案。昨年に実用新案を取得している。これまで50台ほどを広瀬さんが手作りし、全国の特別支援学校などに配布していたが、今回は同大の学部2年生の授業「生活の中の科学」で学部生が1人1台を製作した。

学生たちが授業の一環で製作。現場で使えるよう、丁寧に組み立てた

 ボタンを押すと、モーターが糸を巻き上げ、ばちを固定したアームを動かす単純な機構だが、細かい調整や精度が求められ、学生たちには貴重な経験となった。授業を担当する東原貴志教授は「物が動く仕組みが理解できる」と語る。

 トントンくんを全国の教育現場で使った際の意見は、今後の改良に役立てられる。広瀬さんは「大学と連携し、情報発信ができれば非常に大きい」と話した。

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