『最愛』俳優・津田健次郎、芝居への飽くなき探求心。声優のルーツは"映画"にあった。

『呪術廻戦』七海建人や『ゴールデンカムイ』尾形百之助を演じる声優の津田健次郎さん。ドラマ『最愛』で俳優としての魅力も開花させた津田健次郎さんのこれまでの軌跡を振り返ります。

TBS系列で10月15日から放送中のドラマ『最愛』。吉高由里子さん演じる主人公の真田梨央が殺人事件の重要参考人となり、事件の真相を追う刑事にして梨央の初恋の人、宮崎大輝、梨央の弁護士の加瀬賢一郎を中心に描かれるサスペンスラブストーリー。

宮崎の上司で、交番勤務から捜査一課第一係長にまで上り詰めた山尾敦役で声優の津田健次郎さんが出演し、話題になっています。

今回は『最愛』だけではない、津田さんの俳優・声優としての魅力やルーツについてご紹介します。

津田健次郎 Official Website 画像

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毎話シリアスな展開が続く『最愛』。その中で山尾とその部下、桑田のやり取りは唯一の和みシーンとも言えます。

第1話では桑田の名前を覚えられない山尾にツッコミを入れるシーンもあったのですが、実は津田さんの唐突なアドリブに桑田を演じる佐久間由衣さんが見事な切り返しを見せたシーンでもあるそうです。

また、ドラマ公式Twitterでは津田さんが「ゲンドウポーズ」のようにテーブルに肘をついている姿や、佐久間さんと壁からひょっこり出てくる姿がアップされ、「2人ともかわいい」「微笑ましい」という声があがるなどの評判に。

金曜ドラマ『最愛』TBSテレビ公式サイトより

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そんな和み担当の山尾ですが、12月3日に放送された第8話では、それまでとは一転してブラックな一面が垣間見える展開に。

ドラマも佳境という局面で明かされたギャップの激しい姿に津田健次郎さんの存在感と演技力が注目されました。

渋い大人からオネエまで。幅広い演技力

我々アニメファンの間では『テニスの王子様』の乾貞治や『呪術廻戦』の七海健人、『ゴールデンカムイ』の尾形百之助や『薄桜鬼』の風間千景など、さまざまなキャラクターを演じている人気声優というイメージが強い津田さん。津田さんは低音ボイスが魅力で、落ち着いたキャラクターを演じることも多いですが、代表作の1つでもある『遊戯王デュエルモンスターズ』の海馬瀬人は、高圧的で感情の起伏が激しいキャラクター。

2022年にシーズン2の公開が予定されている『TIGER & BUNNY』では、あえて低音を生かしたオネエ系のネイサン・シーモアを演じるなど、幅広い役柄を演じています。『タイバニ』のネイサンでは、低音ボイスを生かしたガラガラ声の女性役というのもあいまって、キャラクターの濃さにより拍車がかかっていたように思います。

さらにマンガ『極主夫道』では主人公・龍の声だけでなく実写PVにも出演。ファンからはその風貌や雰囲気を含め「ぴったり」「津田さん版の実写もみたい」という声が相次ぎました。

『極主夫道』(著:おおのこうすけ)実写版PV

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声を職業としているすべての方が実写にハマるというわけではありません。若干の違和感を覚えることもあるでしょう。

しかし、津田さんの場合にはその違和感は全くありません。それは津田さんの役者としてのルーツに関係しているのだと思います。

声優と俳優。ルーツは"映画"にあった

声優だけでなく、役者としても着々と成果を出している津田さん。声優・俳優を両立する彼のルーツは“映画”にありました。

明治大学文学部で演劇を学ぶほど、お芝居が好きで映画監督を目指していた津田さん。大学時代は古い洋画からマニアックなミニシアター系の映画までとにかくよく観ていたのだそう。ところが、ひょんなことから演じることに興味を抱き、劇団の養成所に所属。そこから俳優人生が幕をあけます。

DVD『マグダラなマリア―魔愚堕裸屋・恋のカラ騒ぎ―』

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その後さまざまな作品に出演。声優として活動する一方、2006年には『陥人-どぽんど-』に出演し、兄として慕った男に、その愛ゆえに利用されてしまうイアーゴーを好演しました。

2008年から出演していた『マグダラなマリア』シリーズでは、エキセントリックな娼婦・グレイスをコミカルに、毒々しく演じています。筆者が津田さんを「俳優」として認識したのは『マグダラなマリア』シリーズが最初でした。

綿密に作りこまれた世界観の中で、シリアスな面を担当するキャラクターも多い中、それを完全にぶち壊しに来る担当というイメージが強いです。もうとにかく暴れまわっていた姿が印象的。

津田健次郎 PROJECT 『925』映像 予告編

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そして、2012年には自身が総合プロデューサーとなったドラマCD『PROJECT925』を発表。2019年には『ドキュメンターテイメント AD-LIVE』で映画監督デビューも果たすなど、役者という枠を超えた活躍を見せています。声だけで演じることと、自身が人前で演じることではそれぞれ違った演技力が試されることと思います。

それらを両立できるのは、ひとえに津田さんのお芝居に対する飽くなき探究心があるからではないでしょうか。『最愛』では、それまでコミカル担当だった山尾が「ノンキャリアのエリート」に至るまでのお世辞にも褒められた行動ではない部分が明らかになりました。残り2週で一体どんな顔を見せてくれるのか。「俳優・津田健次郎」の深みと演技力に注目です!

(執筆:Sachi.)

10月期金曜ドラマ『最愛』出演・津田健次郎 WEB限定SPインタビュー!【TBS】

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■ドラマ『最愛』津田健次郎のオフショットが可愛すぎ!アニメの有名ポーズも「ドキドキする」「幸せです」

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■『最愛』刑事役・津田健次郎の意外な俳優道。『IWGP』ではホストに!?『花男』『JIN−仁−』etc.

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