"血縁"について考えたことがありますか?――晃洋書房創立60周年記念「すごい博論大賞」受賞作『血のつながりと家族のかたち』!

京都の学術出版社・晃洋書房は、 2021年に創業60年を迎えた。 その創業記念企画として「すごい博論大賞」(公募)を実施し、大賞作『血のつながりと家族のかたち』が刊行された。 普段の生活の中で“ 血縁 ”について考えたことはあるだろうか。 恐らく、 多くの人が何らかのライフイベントを迎えるまで、 “ 血縁 ”というものを意識しないのではないだろうか。 だが、 いざ「血縁を考えさせられる出来事(ステップファミリーの形成、 不妊治療、 養子縁組等)」に遭遇した時に、 いきなりこの重要なテーマについて考えようと思っても、 自分の抱える問題と距離を取れず、 困難なことがある。 だからこそ、 生殖補助医療、 ステップファミリー等、 血縁をめぐる様々なアプローチを通して、 本書をきっかけに“ 血縁 ”について、 一度考えてみてはいかがだろう。

本書より抜粋

――技術の進歩や社会状況の変化によって、 家族の多様化がひろがり、 家族に対する人びとの意識も変化してきていると思われる。 しかし、 ステップファミリーの増加や特別養子縁組に見られるように、 親子関係における血縁からの距離化が図られている一方で、 生殖補助医療の現場では血縁に対するこだわりが見られる。 この相反するような血縁に対する意識のひろがりは、 今後の家族観にさまざまな問題を提起するだろう。 親子関係における血縁が当たり前でなくなりつつある現代社会において、 親子にとって血縁とはなにかを問う必要があるのではないか。 (はじめに)

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