第10回「Charと山岸潤史、そして国府輝幸」〜療養中のPANTAが回顧する青春備忘録〜

PANTA(頭脳警察)乱破者控『青春無頼帖』

ソロ・ファースト・アルバム『PANTAX'S WORLD』。 アルバムの打ち合わせだったかレコーディング中だったか、ギターのChar(竹中尚人)が泊まりに来て、風呂上がりのベランダで、二人してパンツ一丁で話し込んでいた。今度、阿久悠さんの歌詞でデビューすることになったというCharに、「おう、どんどんやれ、思いきり暴れてやれ、これからはロックのほうからどんどん仕掛けてスターを作り出していかねばダメだ」と檄を飛ばしたことがあった。後にも先にもパンツ一丁で話し込んだのはCharだけだ。以来、彼は自分を「ンタパ」と呼び、「アーチャ」と返す自分であった。 時を経て時代はフュージョンの嵐が世界を席巻するもハードロックというストロングスタイルを捨てない自分に、「スティーヴ・ガッドを聴いてよ」とかやたらその辺のミュージシャンを勧めてくるCharであったが生意気さは相変わらず。音楽への情熱に取り憑かれて変わらない5歳下の好青年であるのが嬉しくてたまらなかった。

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