大阪ビル火災を受けて点検 宇都宮市消防局が複合ビル対象に

宇都宮市消防局

 大阪市北区のビルで発生し24人が死亡した火災を受け、宇都宮市消防局は17日、類似の複合ビルを対象に消防設備の点検に乗り出した。他市町の複数の消防本部でも、情報収集などの動きが広がっている。

 宇都宮市消防局によると、市内には複数のテナントなどが入る類似のビルが約100棟あるという。その約6割が中心市街地を管轄する中央消防署の管内に集中している。

 17日は3棟で現地調査をした。非常階段に荷物が置かれていないかや、消火器といった消防設備が適切に設置されているかなど火災予防上の点検を行い、問題はなかったという。今後も順次点検を行う。

 大阪市の火災は、大阪府警が放火の疑いで調べている。他の消防本部からは「設備面の問題とは異なり、防ぐのが難しい」と困惑する声もあった。

 宇都宮市消防局の担当者は「防犯面の対策はもちろん重要だが、火災で大勢の方が亡くなったことは重い。設備の点検など早期に対応すべきだと判断した」と力を込めた。

 このほか足利市や小山市、佐野市などの消防本部も複合ビルの点検などに向けて情報収集を進めている。

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