国の文化審議会は17日、重要文化的景観の「五島市久賀島の文化的景観」に、隣の奈留島の一部を追加するよう、末松信介文部科学相に答申した。名称は「五島列島における瀬戸を介した久賀島および奈留島の集落景観」に変更する。
重要文化的景観は、国の文化財の一つで、優れた景観を保護する制度。久賀島は2011年から全域が選定されている。
追加したのは、奈留島北西部の大串地区の一部や新奈留漁港、周辺海域の計8964.9ヘクタール。世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「奈留島の江上集落」も含む。集落内の江上天主堂は1918年に建築され、自生タブノキを風よけとして残している。奈留瀬戸を挟んだ久賀島の島民がかつて伝馬船で渡り、同天主堂に礼拝するなど両島は日常的なつながりもあった。
文化審は追加選定の理由として、瀬戸を挟んだ眺望などに五島列島南西部の歴史や文化の特色を見いだせると評価。世界文化遺産の構成資産「久賀島の集落」との一体的保護に有効という点も挙げた。
追加選定のため、県内の重要文化的景観は7件に変更はない。
重要文化的景観 五島・奈留島の一部を追加へ 文化審、文科相に答申
- Published
- 2021/12/18 10:30 (JST)
- Updated
- 2021/12/18 11:00 (JST)
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