差別ない世界を願いスピーチ 全日本青少年英語弁論大会 高さん(佐世保北高3年)が優勝

全日本青少年英語弁論大会で優勝した高さん=佐世保市、佐世保北高

 長崎県立佐世保北高3年の高粹彬(こうすびん)さん(18)が、ホノルル市長杯第50回全日本青少年英語弁論大会(ECC外語学院など主催)で優勝した。高い英語力に加え、論理構成力なども求められるハイレベルな大会。高さんは「うれしい。高校生活最後の大会で、結果を出せて良かった」とほほ笑む。
 高さんは中学3年の時に中学校英語弁論大会の国内最高峰とされる高円宮杯全日本中学校英語弁論大会で上位入賞。高校では英会話部に所属し、高校1年で、東京2020高校生英語スピーチコンテストで優秀賞を受賞した。昨年は新型コロナウイルスで大会が軒並み中止に。高校生活最後に出場したいと英会話部顧問に相談。今回の大会に出場した。
 テーマは「輝ける未来のために私のできること」。弁論内容は、黒人差別解消を訴える運動「ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命も大事だ)」から着想を得て、差別を主軸に構成。高さんは韓国生まれで、幼いころから日本で暮らしているにもかかわらず、「どこの国の人?」などと聞かれ「差別ではなくても、区別されている感じで嫌だった」という。
 自身の経験や差別のない世界を願う思いを5分間のスピーチに込めた。ジョン・レノンの名曲「イマジン」の歌詞を引用しながら、差別の解決のために、ステレオタイプで人に偏見を持たないことや、一つの情報だけに惑わされないことを提案した。
 大会には202人が応募。12日に大阪市で開催された全国大会で見事優勝した。高さんは「落ち着いて発表できた。自分の声で人に伝えることがすごく好き。将来は日韓関係の問題を間に立って解決する人材になりたい」と語った。


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