愛犬にメロメロ
今回は親バカぶりをさらけ出すので、引かずに最後までお付き合いして下さい。娘が家に来たのは6年前。娘というのは、フレンチブルドッグの事だ。先代のフレブル、モニカが骨肉腫のため6歳という短い生涯を終え失意のどん底にいた。
悔しくて悔しくて仕方がなく、モニカの血縁を探してその子を迎え入れたいともがいていると、嘆きを聞いたペット関連の方が連絡を下さり血統書を見せてくれたら探せるかもしれないと言われ、写メを送ると「この犬舎と取引した事がある」とミラクルが起こったのだ。
数日後、姪っ子が近々子供を産むという連絡があり、「子供を産んだらうちにお願いします」とまだ産まれていない子の親になる事を決めたのだ。
フレブルと出会う前まで、顔が潰れた犬の可愛さに一切気が付かないでいた。妻が「フレンチブルドッグを飼いたい」と言った時は、「こいつは正気か!?」と思ったくらいだ。モニカを家に迎える時も、フレブルを愛せるか疑問でいた。
ところが、家に迎えた途端、妻以上に自分がメロメロになってしまった。それ以来、犬中心の生活が始まる。フレンチブルドッグのグッズを見付けると、ついつい買ってしまう。コレクター魂がそうさせるのか、ただの親バカなのかわからないが、とにかく買ってしまう。
モニカは黒いフレブルであったのに対し、モニカの姪の子、マイリーは白い子だった。ちなみに姪の子の事を姪孫(てっそん)と言うらしい。マイリーが産まれ数日後、写メが送られて来た。それを見た時の感想は「え!?」だった。
先方から「可愛いですよね」というメッセージに素直に「はい」と言えなかった。モニカはフレブルでは美人だったが、マイリーは凄くブサイクだったのだ。がしかし、実際に会ってしまうと可愛くて可愛くて仕方がない。ブサ可愛いとはまさにマイリーの事。
そうなるとまたグッズを買ってしまう。
100年前のキャラクター
そんな時に出会ったのがBONZOだった。
BONZO(ボンゾ・ザ・ドッグ)とは、ジョージ・スタッドディ(イギリスの商業芸術家)が『ザ・スケッチ』に描いたキャラクターだ。最初に登場したのは1922年だから、約100年前のキャラクターになる。BONZOは絵本になったり絵葉書になったりしていて、そちらも素敵なのだがどうしても立体物の方が集めたくなる。
オークションなどで「BONZO」で検索すると、よく出て来るのがソルト&ペッパーの陶器の容器だ。当時大人気だったのか、はたまたパチ物が多かったのかはわからないが色んな種類が出ている。
ウィキペディアによるとBONZO商品は母国イングランドだけでなく、アメリカ、オーストリア、ベルギー、チェコスロバキア、デンマーク、フランス、ドイツ、日本、オランダでも量産・製造されたそうだ。
そのためなのか小皿やペン立てはかなりアレンジがされている。
1938年のカレンダーはオリジナルのBONZOである。オリジナルはとても可愛らしい。香水の瓶、インク壺もオリジナルデザインだ。これも中々可愛いが、一番のお気に入りはゴム製の人形。色んな商品を見てきているが、このゴム人形以上の物は無いと感じている。原型を作った造形師の腕の良さは凄まじい!完璧なデフォルメとはまさにこの人形の事だろう。
アメリカのドール作家、R. ジョン・ライトさんの新作も可愛らしい。テディベアタイプのBONZOも一目惚れして買ってしまった。手足だけでなく首も動くので様々なポーズが取れる。どのポーズを取っても可愛いのが特徴。アンティークのゴム人形の次に可愛い立体物である。(個人の感想です)
この生活を死ぬまで続けたい
BONZOを集めると同時に、ブルドッグの物は集めてしまう。首振りの貯金箱はわりと古い物だ。陶器であるのにブルドックには短毛を表現した素材で処理されていたり、首振りだったり、首輪やリードに鎖が使われていたりして手が込んでいる。こういった面白い物を見付けたら即買いだ。
フレブルのぬいぐるみ型ラジオも珍しい。古すぎて毛が抜けまくっているが、これもアンティークの味。人によってはゴミ扱いされる物でも、大切なコレクションなのだ。
開運業界で有名なハンコ屋さん『風間印房』の風間夫妻に頂いたフレブルもお気に入りの一品。ウランガラスで出来ているので、ブラックライトを当てると緑色に発光する。
風間夫妻はウランガラスのコレクターで色んな物を持っているが、「フレブルだから、これはやかん君に」と言ってプレゼントしてくれた。これを貰っただけで、ウランガラスも集めたくなってくるから不思議だ。でも、手を出さないぞ!危ない、危ない。(笑)
フレブルの目玉がクルクル回り時刻を教える目玉時計。1940年代のドイツ製。これも中々良いフレブルグッズだ。
この他にもフレブル物は見付けると買ってしまうので日々増え続けている。いつの日かそれらをマイリーの周りに置いて記念写真を撮りたい。
でも、ジッとしてくれないから、シャッターチャンスが難しいだろうな。そして、物が壊されないかも不安。でも、そんな夢も持ちつつ、マイリーとフレブルグッズと暮らしている。この生活が死ぬまで続いて欲しい。寂しい思いはもうしたくないよ。