「野球熱は男子に全然負けてない」イチロー氏が対戦し感じた女子野球の現在地

「9番・投手」で先発したイチロー氏【写真:中戸川知世】

試合中に足がつったのは「初めてですよ(笑)」

マリナーズのイチロー氏(会長付き特別補佐兼インストラクター)が結成した草野球チーム「KOBE CHIBEN」が18日、ほっと神戸で女子高校硬式野球選抜チームとエキシビションマッチを行った。足がつりながらも147球の熱投で4安打17奪三振の完封勝利。試合後は「女子の野球熱は男子に全然負けてない」と、熱意を感じ取っていた。

【写真】女子相手でも容赦なし! “ガチ投球”で打者を抑えるイチロー氏

女子高校野球選抜チームと対戦したイチロー氏の一問一答は以下の通り。

――試合中に足がつったのは初めて? 寒さもあったが
「初めてですよ(笑)。寒さが大きいですね。力の入り方が普段と違うのも、もちろんあった」

――147球を投げ抜いた、直球も平均で130キロ台をマーク。トレーニングのたまもの?
「でも、たまものではない感じが出ちゃった。たまものだったらもうちょっとできるんだけど(笑)。何とか最後までできた。自分の限界が見られたので、そういう意味ではアスリートとしても、とても有意義な1日」

――最後まで投げるのを想定?
「もちろんそうなんですけど、やっぱり相手はオールスターのチーム(女子高校野球)ですから。なかなかそうもいかないんじゃないかと思うし。気持ちはあったけど、難しいとは思っていました」

男子、女子を含めた高校生の指導は「プロの世界には全くないものがある」

――9回にマウンドに上がると観客から拍手もあった
「久しぶりにこういう気持ちになりましたね。なんか泣くわ。本当に参っちゃったね」

――2年前の試合(智弁和歌山の教員チーム)は「楽しい」と言っていた、今回は?
「最後までできてよかったと思います。女子は通常7イニングなので、彼女たちの負担も大きかったと思う。遠くからも全国からも来てくれているし。今日初めて(全員での)練習をやってですからね。それは大変だったでしょうけど、何とか形にできたことはよかった。死球も当てちゃったし、申し訳ないですよ」

――高校生の指導(3校の男子野球部に指導)の中で女子野球を行っての印象
「女子の野球熱は男の子に全然負けていないというか、こうやって野球をやる子たちというのは、きっと男子よりそういう思いが強い子が多いんじゃないかと思いました。負けるのは嫌いでしょうし。本当に今日は僕も負けたくなかった。緊張感があったし。こんなのいつ以来だろう。本当にWBC以来じゃないかな(笑)。それくらい負けられない緊張感を味わいましたね」

――今年の指導は終了
「あの年代の子たちの野球はすごく面白いですね。プロの世界には全くないものがあるので。やっぱり一緒にできるというのが大事なことだと思う」

――高校生の心を感じる?
「もちろん。真っすぐだし、本気で先を目指しているし、気持ちいいですよ」(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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