【MLB】大谷翔平の笑顔に感化 勝負の契約最終年、秋山翔吾の命運は“喜怒哀楽”にあり

野球教室を開催したレッズ・秋山翔吾【写真:間淳】

過去は淡々とプレー「喜ぶのを見せたくないというのがあった」

勝負の1年は感情を表に出して結果を出す。レッズの秋山翔吾外野手が18日、地元・神奈川県横須賀市の大津公園で野球教室を開催。地元の野球少年・少女や、かつて同じソフトボールリーグに所属していた前環境相の小泉進次郎衆院議員らとの時間を楽しんだ。秋山は来シーズン、感情を表現するスタイルへの変身を宣言。イメージするのは、人懐っこい笑顔でファンを魅了しながら、成績を残したエンゼルス・大谷翔平投手の姿だ。

3年契約最終年となる来シーズン。職人のように淡々と仕事をこなしてきた秋山は、イメージチェンジを口にした。

「今まで、抑えなければいけないと規制をかけていたわけではないが、このプレーで喜ぶというのを見せられない、見せたくないというのがあった。ただ、外国人選手は感情表現が豊か。このプレーは普通という感じで表情に出さないと、数字が出ていない分チームに入っていけない。いいプレーも悪いプレーも表情に出していいのかなと思っている」

メジャーに移籍してから2年間、秋山は苦しんでいる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で60試合に短縮された昨シーズンは、54試合で打率.245。2年ぶりに162試合制で行われた今季は怪我での離脱もあり、88試合出場にとどまった。打率.204と課題を解消できず、メジャー2年間で本塁打は1本も出ていない。

西武時代の2015年には216安打し、NPBのシーズン最多記録を更新するなど安打を量産していた姿とは、あまりにもかけ離れている。勝負の3年目。秋山が思い描いているのは、怪我から復帰して今シーズンMVPに輝いた大谷の姿だ。

にこにこプレーの大谷に感化「感情を出してもいいのかな」

「なかなかプレー中に楽しむのは簡単ではないが、大谷君も怪我なく結果も出した。表情が明るいのは技術を引きつけると感じたし、結果に付随しているところは絶対にある。感情を出していってもいいのかなと思っている」

大谷はプレーだけでなく、プレーとはギャップのある愛らしい笑顔や豊かな感情表現もチームメートやファンに愛される要因になっている。少年のように野球を楽しみ、結果につながる好循環が生まれている。

この日、秋山は地元の横須賀市で小学6年生を対象にした野球教室を開催した。手本を見せながら、キャッチボールの基本、打撃や走塁のポイントなどを伝えた。横須賀市出身で、小学生の頃は同じソフトボールリーグに所属していた前環境相・小泉進次郎衆院議員も駆けつけ、「打者・秋山vs投手・進次郎」で真剣勝負。結果は二飛に打ち取られたが、秋山は子どもたちや小泉議員から激励を受けて決意を新たにした。来シーズン、打撃で成績を残すのは「使命」と力を込めた。

「打撃が変わらなかったら終わり。数字が出なければ終わりなのは明らか。評価する人間に180度変わったなというくらいの印象を持たれないと、変わったとは思われない。1年目より2年目、2年目より3年目の方が評価の目は厳しくなると覚悟している」

後がないメジャー3年目。秋山は大谷流の豊かな感情表現で変身を遂げる。(間淳 / Jun Aida)

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