【初心者向け】冬キャンプの始め方★寒さ対策は?必要なギアは?おすすめ冬キャンプ飯は?

「キャンプは夏」のイメージがあり、寒い季節のキャンプは「上級者向け」と思われがちですが、そんなことはありません!冬キャンプは装備をしっかりしていれば、初心者でも難しくありません。今回は、初めて冬キャンプに挑戦する人必見!冬キャンプの始め方を紹介します。

冬キャンプの魅力は?

筆者撮影

冬キャンプは夏キャンプと違い、キャンプ場が混雑せず、人気のキャンプサイトが予約しやすく、ゆっくりキャンプが楽しめます。

また、乾燥している冬は天体観測に最適。澄み渡った夜空で満点の星を観測できます。

そして、冬はあたたかなキャンプ飯や熱燗やホットワインなど、暑い季節ではできないキャンプレシピが楽しめます。

ただし、自然の驚異は侮ることなかれ!寒い季節はそれに対応したキャンプ道具が必要です。その寒さ対策をきちんとしておけば、初心者でも冬キャンプの魅力にどっぷりはまりますよ。

冬キャンプ装備編

冬キャンプの一番のネックは寒さです。対策が必要なモノは…

▼冬キャンプで対策すべきこと

1. 服装
2. テント
3. 寝床
4. あるとなお良し!温め系ギア

では、それぞれどのように寒さ対策をすればよいか説明します。

冬キャンプ対策その1. 服装

服装は着込めば温かくなるかもしれませんが、動きにくくなってはキャンプでのパフォーマンスが落ちてしまいます。

重要なのは「服のレイヤリング(重ね着)」です。その重ね着方法を間違えると、同じものを使用しても体感温度が異なることがあります。

気温によって異なりますが、上半身・下半身で下記のようなレイヤリングがおすすめです。

【上半身のレイヤリング】

1. ベースレイヤー(ウール素材の下着が理想、綿は避ける)
2. ミドルレイヤーその1(フリースorソフトシェル)
3. ミドルレイヤーその2(インナーダウン)
4. アウター(風を通さないもの)

【下半身のレイヤリング】

  • タイツ
  • フリースorダウンパンツ
  • レインパンツ

分厚いものを1枚…よりも、何枚か重ね着をすることが、昼夜の気温の変化が激しい冬キャンプには向いています。気温の変化で汗をかかないように、暑くなったら脱げるレイヤリングをしましょう。

私はあまり着込むことが苦手なので、下記のように最小限で重ね着をして、寒い冬を過ごしています。

【筆者のレイヤリング例】

■ ベースレイヤー(Smartwoolのベース)
■ ミドルレイヤー(ノースフェイスのフリース)
■ アウター(Polerの寝袋素材ポンチョ)

筆者撮影

レイヤリングは素材も重要です。

とにかく、体の体温で温かくなるものを下に着て、風を通さないものをアウターに持っていきましょう。

服装のほかにも、小物で寒さ対策もできます。首、手首、足首の「3首」は太い血管があり、そこを温めると全身が温まりやすくなるため、その部分はきっちり防寒しましょう。

▼寒さ防止のレイヤリングの詳細はこちらの記事でも紹介しております!

意外と知らない冬キャンプの服装&防寒対策―キャンプ雑誌・fam_mag編集長に聞く! - ハピキャン|キャンプ・アウトドア情報メディア

冬キャンプ対策その2.テント

筆者撮影

テントは「2シーズン用」「4シーズン用」など季節別に分かれているブランドも多く、それを基準に購入することができます。

ただし、3シーズン(春夏秋)用のテントでも、テントにスカートを付けて外気を防いだり、薪ストーブやポータブル電源、電気毛布や電気ヒーターを使用しながら寒さ対策をすれば、冬でも3シーズンのものが使用できます。

冬キャンプはテントの外で過ごす時間よりもテント内で過ごす時間が増えるため、テント内の住居スペースは広めのものがおすすめ。

筆者撮影

筆者が愛用しているコディアックのキャンバステントは、素材がコットンで保温力が高く、住居スペースも立って移動でき広々。冬でも大活躍しています。

コットン素材やコットンとポリエステルの混合「ポリコットン(TC)」素材は、結露ができにくい特性もあり冬キャンプのテント素材におすすめです。

【冬キャンプ向けのテント素材】

  • コットン
  • ポリコットン(TC)

上記の素材は、暖かく結露がしにくい

また、テント内で薪ストーブなどを使用したい場合は、火の粉が飛んでも穴が空きにくい難燃性素材(これもやはりコットンやTC)を選ぶと良いかと思います。

▼冬キャンプのテント選びはこちらもどうぞ!

冬キャンプ対策その3.寝床

筆者撮影

冬キャンプの最重要ギアのひとつが寝袋。寝床が寒いと眠ることができません。テント内が寒くとも寝床が暖かければぐっすり眠れます。

▼冬キャンプ向けの寝袋(シュラフ)選びのポイント

寝袋は形や素材によってさまざまありますが、寒さ対策に重要なのがブランドで記載されている「快適温度」です。※商品に記載されている「最低温度/限界温度」で判断しない方が無難です。

ブランドによって記載方法は多少異なりますが、初心者は向かうキャンプ場付近の最低気温を事前に調べて、「快適温度」が最低気温に合うものを目安にして選びましょう。

夏と冬とは最低気温が全く異なるので、寝袋はシーズン毎に変えるのがおすすめ。最低でも夏用と冬用の2パターンを持っているとよいです。

寝袋の違いは絶大です!私も最近、冬用の寝袋を新調しましたが、今までと全く温かさが異なり、冬でも寝るときはヌクヌクでぐっすりです。

▼冬キャンプ向けの寝袋(シュラフ)の素材は?

寝袋の素材には、ダウン・コットン・化繊がありますが、一般的にダウンの方が保温性が高いとされています。その分、お値段はダウンが最も高く、メンテナンスや保管時の扱い方が、コットンや化繊の寝袋に比べて少し大変・・ということもあります。

「まずはあまりお金をかけずに冬キャンプデビューしたい」という方には、コットンか化繊の寝袋で快適温度が冬キャンプに耐えうる設定になっているものを選ぶのも良いでしょう。

一方で、同じ快適温度だとダウンシュラフの方が収納時サイズが小さくなるので、できるだけ荷物を減らしたい人にはダウンの方が向いています。

▼寝袋で寝る際の「服装」は厚着?薄着?

ダウン素材の寝袋で寝る場合は、薄着で寝る方が暖かく、私の知り合いは冬でもほぼ裸状態で寝る人もいます。

寒いと厚着で寝たくなりますが、体温の温かさで寝袋内は温かくなるため、冬でも厚着はせずに寝袋に入りましょう。そのほうが、眠るときも動きやすく楽です。

▼冬キャンプの寝袋選びはこちらの記事では詳しく説明しております

▼冬キャンプのマット選びのポイント

筆者撮影

寝袋とともに重要なのが、寝袋の下に敷くマットです。

このマットもシーズンによって使い分けて、冬キャンプでは断熱性を表す数値「R値」が高いモノを選びましょう。

私は現在R値6のものを使用していますが、断熱性が高いマットは自分の体温だけで電気マットを敷いているように温かくなり、冬でも快適に寝ることができます。

また、コット(簡易ベッド)があると地面からの寒さを防止するのに役立ちます。私は寒い季節は、「コット+R値の高いマット+冬用シェラフ」で寒さ対策をしています。

冬キャンプ対策その4.あるとなお良し!温め系ギア

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暖をとるギアとしては「焚火」を真っ先に思い浮かべるかもしれませんが、焚き火よりも簡単に火が付き扱いやすい「コンパクトなガスファイヤーピット」は初心者向き。

また、地味ですが、眠るときは湯たんぽがあると足元の冷えを防止してくれます。

▼2021年最新!おすすめ湯たんぽはこちら

【2021年最新版】おすすめ湯たんぽ◯選!ニトリ・無印良品など素材&タイプ別に紹介 - ハピキャン|キャンプ・アウトドア情報メディア

電源がなくとも使えるUSB電源電気毛布や、石油ストーブ・薪ストーブが冬あると寒さ防止になります。

▼薪ストーブ・石油ストーブ・電気毛布などの温め系ギアはこちら

ただし、テント内で石油ストーブやガスストーブを利用する場合は、換気に気を付け、1つ以上の一酸化炭素チェッカーをテント内に設置しましょう。

▼一酸化炭素チェッカーの詳細はこちら

【一酸化炭素チェッカーおすすめ3選】冬キャンプは一酸化炭素中毒に注意⚠︎ 一酸化炭素は比重が軽くテントに充満する恐れ有り! - ハピキャン|キャンプ・アウトドア情報メディア

冬キャンプで温かさをとる小技

筆者撮影

服装や装備のほかにもちょっとした工夫でより温かくなります!

【冬キャンプを暖かく過ごすためのコツ】

  • 焚火の前では上着の前ファスナーは閉めずに、開けた方が暖かい
  • 焚火の前では防寒性の高い靴ではなくサンダルの方が暖かい
  • 熱は頭から抜けていくので帽子は必需品
  • コット(簡易ベッド)の下にモノを置いた方が地面から寒さを防げる

すでにお持ちのギアでも、ちょっとした小技で温かさの感じ方が変わるのでぜひ試してみてください!

初心者向け「冬のキャンプ場選び」のポイント

初心者の方は、キャンプ場選びにもポイントがあります。

まずは下記のようなキャンプ場で「冬キャンプデビュー」をすると良いかもしれません。

【冬キャンプデビューのキャンプ場選びのコツ】

  • 最低気温が暖かいエリア(関東圏では千葉の南の方は東京都内よりも暖かいですよ)
  • 電源付きサイトがあるキャンプ場(初心者の冬キャンプでは絶対に電源付きがおすすめ)
  • コテージがあるキャンプ場(寒さに弱い方はまずはコテージから始めるのもおすすめ)

冬キャンプにぴったりなご飯は?

キャンプといえばBBQですが、寒い冬のキャンプでは温かいキャンプ飯がおすすめ!

筆者はスープ缶にいろいろな素材を付け加えて温かいスープを手軽に作ることが多いですが、すき焼きやおでんなど夏では作らない熱々のメニューが冬はチャレンジできます。

冬キャンプにぴったりのキャンプ鍋レシピ

冬キャンプにはやっぱりおでん

ぽかぽか温まるホットスイーツレシピ

アルマイト鍋で作れる簡単料理

冬キャンプが盛り上がる「キャンプすき焼き」

キャンプでチーズフォンデュ

夏と違って、冬は「野菜を水で洗う」など水を使う作業が億劫になります。家で食材を洗って、切っておいて、キャンプ場では「混ぜるだけ」や「入れるだけ」で作れるようにしておくと、冷たい水に触れず料理時間が短縮できます。

初心者が知っておくべき冬キャンプの注意点

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初めて冬キャンプに行かれる際は、以下の点にご注意ください!

普通のカセットガスは使えない?「冬用のガス缶」を用意しましょう

夏に使用していたギアも寒いと使えないこともあり、ガス式のCB缶やOD缶は、寒いと点火できなくなる恐れがあります。

どちらも成分が違う冬用の缶があるため、気温10℃以下の寒い場所に行く場合は、冬用の缶を買っておきましょう。

ホワイトガソリンもおすすめです

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コールマンのツーバーナーのようなホワイトガソリンを使用するギアは引火点が低く、冬でも点火できます。「冬キャンプを楽しみたい!」と思っている人は、バーナーやランタンをホワイトガソリンのモノにするのもひとつの方法です。

筆者も以前、冬キャンプをしているとき、CB缶を使うトーチは寒さで使えなくなりましたが、ホワイトガソリンのツーバーナーは問題なく使えました。ガソリン式はポンピングなど多少手間がかかりますが、作りが単純でメンテナンスをすれば長持ちするギアです。

冬キャンプではライターやチャッカマンは使えない

また、ライターやチャッカマンもガス式なので、寒いと使えなくなる恐れがあります。

その場合も考え、原始的ですが「マッチ」や「ファイヤースターター」も併せて持ち歩くようにしましょう。

無理せず冬キャンプを楽しもう!

寒さ対策に新しいギアを買い足すのもありですが、初心者の人は電源付きサイトで、家で使っている電気毛布、電気ストーブ、こたつなどを持って寒さ対策をしながらキャンプを楽しむのもひとつの方法です。

冬はキャンプのオフシーズンではありません!日本は四季があり、四季折々の自然を堪能できます。ただし、寒さ対策にやりすぎはありません。準備をしっかりして無理せず冬キャンプを楽しみましょう。

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