【MLB】ノーノー左腕はエンゼルスが最適? 米メディア指摘「成功すれば見返りも大きい」

ホワイトソックスからFAとなったカルロス・ロドン【写真:Getty Images】

今季13勝のロドン、序盤は「サイ・ヤング賞候補と考えられていた」

MLB機構とMLB選手会での労使交渉がまとまらず、ロックアウト(施設閉鎖)が続いているメジャーリーグ。移籍等の交渉も凍結されており、移籍先が決定していないFA選手も数多い。その中で注目されているのが今季ノーヒット・ノーランを達成し、自己最多の13勝を挙げた左腕カルロス・ロドン投手。米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」はエンゼルスなど6球団を移籍先候補に挙げている。

今月29歳になったロドンは2014年ドラフト1巡目指名でホワイトソックスに入団。トミー・ジョン手術と左肩手術を経て昨年オフにノンテンダーになり、1年300万ドル(約3億4000万円)でホワイトソックスと再契約した。

今季は24試合登板で13勝5敗、防御率2.65。4月11日(日本時間12日)のインディアンス(現ガーディアンズ)戦でノーヒットノーランを達成するなどシーズン序盤は大活躍だった。アストロズ相手に7回1安打無失点10奪三振の快投を見せ、今季8勝目をマークした7月18日(同19日)までは防御率2.14、K%が36.6%、BB%が6.8%と圧倒的な数字を残し、「ア・リーグのサイ・ヤング賞候補と考えられていた」と記事は指摘する。

ただ、8月11日(同12日)に肩の疲労で負傷者リスト入り。同26日(同27日)に復帰して以降5度先発したが、投球数が80球を超えたのはそのうち1度だけだった。シーズン序盤は直球の球速がキャリア最速の平均96マイル(154.5キロ)だったが、復帰後は93.2マイル(約150キロ)に下がっていたそうだ。

故障歴あり後半は失速も「成功すれば見返りも大きい」

このオフ、ホワイトソックスが1年1840万ドル(約20億9000万円)のクオリファイングオファー(QO)をロドンに提示すると予想されていたが、実際には提示せず。QOがなかったことで獲得する側はドラフト権を失わなくて済むため、FA市場の中でも最も興味深い選択肢の1つになっているという。代理人のスコット・ボラス氏によると、ロドンは複数年契約を求めており、2~3年の契約が見込まれている。

ペイロールの余裕、ロドンのような故障歴がある投手のリスクを取ることを厭わなさそうなことを考慮すると、エンゼルス、ドジャース、ジャイアンツ、マリナーズ、タイガース、ヤンキースが「フィットしそうだ」と記事は予測する。エンゼルスがノア・シンダーガードと契約し、マイケル・ローレンゼンに賭けてみるのは先発ローテ補強のいいスタートだったが「現状の投手陣はクエスチョンマークも多く、成功すれば見返りも大きい他の選択肢を得ることは助けになるだろう」としている。

2012年以降、エンゼルスはFA先発投手と複数年契約を結んでいないが、3年であればライセル・イグレシアス投手と結んだ契約よりも短いとも述べている。エンゼルスは今季34セーブを挙げたイグレシアスと4年5800万ドル(約66億円)で合意している。

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