「大切な父奪った犯人許せない。情報提供を」 王将社長射殺8年、遺族訴え

事件発生時刻に合わせて訪れ、手を合わせる人たち(19日午前5時45分、京都市山科区・王将フードサービス本社前)

 2013年に王将フードサービス本社前(京都市山科区)で前社長の大東隆行さん=当時(72)=が射殺された事件は19日、未解決のまま8年を迎えた。本社前では早朝から献花に訪れる人の姿があった。遺族は「大切な父を奪った犯人を許しません。思い出したこと、今だから言えることがあれば、情報提供をお願いします」と訴えた。

 底冷えする寒さの中、本社前では事件が起きた午前5時45分に合わせて花束を手向ける人がいた。府警や同社の渡辺直人社長らは午前10時から、JR山科駅前で情報提供を求めるポケットティッシュ約3千個を通行人に手渡した。

 大東さんの長男剛志さんは府警を通じてコメントを発表した。歳月が過ぎて人々の関心が薄れていることを感じるとしつつ、「当たり前の日常を突然奪われたあの日のことが、脳裏から離れることは一生ない」と変わらぬ怒りをつづった。

 府警捜査本部(山科署)は今年11月末時点で延べ約24万3千人の捜査員を投入。7年間で約700件の情報があったが、この1年は約30件にとどまっており、容疑者に直結するものはなかったという。

 事件は13年12月19日早朝に発生。出勤してきた大東さんが拳銃で腹や胸を撃たれて亡くなった。

 情報提供は捜査本部(0120)089110。

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