くらしき茶房 桜花 〜 おばんざいビュッフェが美味しい、醤油をテーマにした倉敷酒津の古民家カフェ

酒津公園のすぐ近くに、「醤油」をテーマにした古民家カフェがあることを知っていますか?

くらしき茶房 桜花では、手作りのおばんざいビュッフェを食べられます。

おばんざいとは、昔より京都の一般家庭で作られてきた惣菜のこと。

また、おばんざいと一緒に食べられる『黄ニラしょうゆ』をくわえた玉子かけご飯も、絶品なんです!

どこか懐かしい落ち着く雰囲気で、家族連れにもおすすめなくらしき茶房 桜花を紹介します。

季節を感じられる庭

昔ながらの庭と古民家が、どこか懐かしい雰囲気を感じますね。

満席のときには、縁側に座って庭を眺めながら待つことができます。

庭の植物は、常に花が絶えず見られるように植えられており、四季折々の花が楽しめるそうです。

取材時は、酒津一帯に満開の桜が咲き誇っていました。

春には、庭の桜も楽しむことができます。

それでは、さっそくくらしき茶房 桜花に入ってみましょう。

築100年越えの古民家と昔ながらの雰囲気が居心地の良い和室

くらしき茶房 桜花は築100年を越える古民家で、美しい庭を眺めながらおばんざいビュッフェを楽しめるカフェです。

醤油の味を身近に楽しめる店として、2014年3月13日にオープンしました。

店に入ってすぐの木製の棚に並ぶ、おばんざいビュッフェが目を引き、食欲をそそります。

店内は和室で、田舎のおばあちゃんの家のような落ち着いた空間です。

ひとつ一つの照明や、小物からもこだわりを感じます。

席からは庭が良く見え、食事をしながら庭の景色を楽しむことができますよ。

一輪挿しには、庭に咲いている花がいつも飾ってあるそうです。

また、倉敷の作家の作品が飾られており、気に入った作品は購入することができます

作品は子供からお年寄りまで幅広く楽しめるものが置いてありました。

くらしき茶房 桜花のランチビュッフェ(バイキング)メニュー

くらしき茶房 桜花では、岡山県内で採れた野菜たっぷりのランチビュッフェを楽しむことができます。

ランチでは、10種類以上のおばんざいビュッフェ、元気米ごはん、本日の汁、プチデザートつき。

ランチビュッフェの料金は、以下のとおりです。

テイクアウトにも対応しており、おばんざいの持ち帰りができるのもうれしいですね。

テイクアウト価格は、以下のとおりです。

おばんざい全品のテイクアウトは、冷たいものが1パック詰め放題、「里の子揚げ」など暖かいものはスタッフが詰めてくれます。

10種類以上のおばんざいから自由に選べるランチビュッフェ

おばんざいは、そのとき採れた野菜によって毎回変わるのが楽しみのひとつ。

特に人気がある「和風おからサラダ」「里の子揚げ」「カレー」は、定番メニューとして置いているそうです。

「和風おからサラダ」と「煮豆」

和風おからサラダ」は、おからの甘い風味と酸味のギャップが食欲をそそり、「里の子揚げ」は衣がサックサクで中はホクホクしていて、多くの人から愛されるメニューです。

「里の子揚げ」と「竹の子とぜんまいのナムル」

おばんざいビュッフェでは、好きなメニューを自由に皿に盛り付けていきます。

人参のグラッセ」は、甘みたっぷりで皿に彩りを加えてくれます。

人参のグラッセ

にらの玉子焼」は、中がフワッフワ。

にらの玉子焼

すべてのおばんざいを皿に盛り付けていくと、こんなにも贅沢(ぜいたく)な皿が出来上がります。

そして、くらしき茶房 桜花でぜひ食べてほしいものが、『とら醤油の黄ニラしょうゆ』をかけて食べる玉子かけご飯です。

玉子と黄ニラしょうゆを一つずつテーブルに持っていきましょう。

すべてのメニューがテーブルに並べられると、すごく豪華ですね。

プチデザートには、ほどよい甘さが美味しいあんこの羊羹(ようかん)が付いていました。

雑穀米の元気米ごはんと吸い物は、お店のかたが運んでくれます。

おばんざいも含め、どれもおかわり自由です。

取材時のおばんざいビュッフェのメニューは、以下のとおり。

  • 煮豆
  • 和風おからサラダ
  • こんにゃく煮
  • 人参のグラッセ
  • 小松菜と揚げ煮
  • あみ大根
  • にらの玉子焼
  • 竹の子とぜんまいのナムル
  • 切り干し大根の煮物
  • 里の子揚げ
  • カレー

おばんざいはどれも優しい味なのに味わい深く、何度も通って食べたくなるような、飽きのこない味付けでした。

いつも、おばんざいは前日の夜から一品ずつ、時間をかけて作られているそう。

薄味と感じさせないのは、醤油が時間をかけて食材に染み渡っているからとのことです。

『とら醤油の黄ニラしょうゆ』をかけて食べる玉子かけご飯は絶品

おばんざいと並ぶ人気を誇るのが、玉子かけご飯

玉子は、倉敷市玉島にある『笑顔溢れるたまご専門店 うぶこっこ家』の玉子です。

とら醤油の黄ニラしょうゆが、最高に玉子かけご飯に合います。

雑穀米の元気米ご飯に玉子を割り入れ、とら醤油の黄ニラしょうゆを混ぜるとこれがもう絶品…!!

ほのかに香るニラが、さらに食欲を沸き立たせ、おかわりをしたくなります

筆者はもちろん、玉子かけご飯をおかわりしましたよ。

15時以降のカフェメニューは、あんこ職人特製の和風スイーツが魅力

くらしき茶房 桜花の魅力は、おばんざいビュッフェと玉子かけご飯だけではありません。

ランチビュッフェが終了したあとの「午後3時〜9時まで」は、カフェとして営業しています。

カフェメニューには和風スイーツが豊富で、たっぷりのあんこに、ほろ苦い抹茶と豆乳ホイップでいただくパンケーキは、人気メニューです。

桜花 パンケーキ(650円)

お腹いっぱいでパンケーキまでは、食べられない…ってかたには、あんラテがおすすめですよ。

少し苦いコーヒーに、たっぷりのあんこと豆乳ホイップの甘みが絶妙な味わいです。

あんラテ

みたらし団子も食べると、満足感いっぱい。

みたらし団子

お店のかたの最近のおすすめは「クラシックカスタードプリン」だそうです。

こちらはランチビュッフェのときにも注文できます。

クラシックカスタードプリン(400円)写真提供:くらしき茶房 桜花

後半の記事では、くらしき茶房 桜花の三宅理加(みやけ りか)さんと母・澄子(すみこ)さんに、おばんざいビュッフェのカフェを始めることになった経緯や、見所について話を聞きました。

おばんざいビュッフェのカフェを始めることになった経緯

左:三宅理加さん 右:三宅澄子さん

インタビューは2019年4月の初回取材時に行った内容を掲載しています。

──おばんざいビュッフェのカフェを始めることになった経緯を教えてください。

三宅 澄子──(敬称略)──

くらしき茶房 桜花は、とら醤油の子会社として始まり、現在は独立して運営しています。

醤油を作るだけではなくて、これから醤油の使い方を提案していく場所が必要だ」ということがキッカケで始めました。

今は、醤油があまり使われなくなってしまっています。
すき焼きなら「すき焼きのタレ」、生姜焼きなら「生姜焼きのタレ」。

家庭の味が無くなってしまったし、「醤油を使えば、こんなことができるんだよ」っていう提案をできる場所があればいいな、という思いで始めました。

──場所が少しわかりづらいにも関わらず、休日には表に列ができるほどの人気ですね。

三宅 澄子────

最初はここまでになるとは思っていませんでした。

周りに飲食店がぜんぜんありませんし、うどん屋ひとつができてもすぐ潰れるような土地なんです。

場所がわかりづらいし、入りづらい雰囲気があるので難しいところではあるんですけど、テレビで紹介していただいたりしてから、少しずつ定着してきました。

三宅 理加──(敬称略)──

うれしいことに毎週来てくださるご家族もいらっしゃるんです。

お母さんと子供だけじゃなくて、おばあちゃんも一緒に来ていただいたり、幅広い年代のかたに楽しんでいただいております。

バブルの頃だったらきっと、流行ってなかったなあと思うんですが、今はこういった粗食が求められるようになったんですね。

普段食べられないから、野菜を食べに来ました」と言って、リピートしてくださるかたが多いです。

おばんざいの人気メニューについて

──おばんざいで人気があるメニューは何ですか?

三宅 理加────

和風おからサラダと、里の子揚げですね。

最初は定番商品になるとは思っていなかったんですが、お客様からの声で定番商品として必ず置くようになりました。

最近では、こんにゃくもすごく人気になってきたんですよ。

こんにゃくをわざわざ食べに来られるかたもいらっしゃいますし、お子さんにもすごく人気です。

あとは、さっぱりしているから豆をずーっと食べてるかたもいらっしゃいますね(笑)。

古民家カフェとしてこだわっている「空間作り」について

──空間作りのこだわりを教えてください。

三宅 澄子──

地元の物を使うことに、こだわっています。

たとえば、岡山の木彫り作家、陶芸家の手作り雑貨を販売しています。

料理の皿も備前焼や倉敷ガラスのものを使っていますよ。

玄関の暖簾(のれん)も、勝山(かつやま:岡山県真庭市)で暖簾を作っているかたに特注でお願いしているんです。

酒津をイメージして松・桜・川(池)の色を使って作っていただきました。

「醤油」に対するこだわりと思い

──最後に、醤油へのこだわりとこれからのことについてお聞かせください。

三宅 理加────

一言で「醤油」といっても、いろいろな種類があるんです。なので、さまざまな醤油の味がおばんざいで楽しめるようにしています。

加工品の醤油も人気なので、黄ニラしょうゆの玉子かけご飯も味わってほしいですね。

将来的には、醤油作り体験をしたり、こだわりの醤油を量り売りできるようにしたいんです。

私は主婦なので、醤油の瓶やペットボトルも捨ててしまうのは勿体無いなと感じるんですよ。

昔は、醤油の瓶を取っておいて再利用していましたが、現在では少なくなっています。

こだわりの醤油を使って、家庭の味を楽しんでもらえたらうれしいですね。

おわりに

懐かしい古民家の雰囲気のなかで、おばんざいビュッフェを食べることができるくらしき茶房 桜花

醤油に対するこだわり、時間をかけて作られたおばんざいの優しい味に食への温かい気遣いを感じました

酒津公園で遊んだ後に、家族でご飯を食べに訪れてみるのも、いいかもしれません。

実際に、おばんざいを食べてみると、心がじんわりと温かくなるような優しい感覚を感じることができますよ

ぜひ、立ち寄ってみてくださいね。

取材協力

  • 撮影:吉野なこ

© 一般社団法人はれとこ