高校生が創立した模擬会社「飛楽」 空き店舗使って「いらっしゃいませ」 新上五島町

空き店舗を利用して販売実習をする生徒ら=新上五島町

 長崎県新上五島町宿ノ浦郷の県立中五島高(岡田一幸校長、74人)3年生が5月に創立した模擬会社「飛楽(ひらく)」は11、12の両日、商店街の空き店舗を活用して販売実習に取り組んだ。
 生徒のビジネス実行能力を高め、地域活性化を担う人材の育成を図るのが目的。参加したビジネスキャリアコースの23人は、奈良尾商店街の空き店舗でオリジナルデザインの衣類や県内外から仕入れた食品を販売。店舗の一角には喫茶コーナーも設けた。
 生徒らは丁寧に商品説明をしたり、折り紙で作ったパンダや指輪を子どもにプレゼントしたりするなど気配りしながら接客。2日間で約250人が訪れ、約85万円を売り上げた。
 同町若松郷の深浦昌美さん(28)は、息子大嗣(たいし)君に「『いらっしゃいませ』の声が聞こえる、行きたい」とねだられ来店。「息子のために、アレルギー対応のクッキーを買った」と笑顔で話した。
 飛楽の副社長を務める浦陽遥里(ひより)さん(17)は「接客はコミュニケーションが大事だとよく分かった。進学して介護の道に進むが、この経験を生かせると思った」と話した。


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