<レスリング>【2021年全日本選手権・特集(最終日)】健闘選手の声

 

(2021年12月19日、東京・駒沢体育館)


 ■男子グレコローマン55㎏級・松井謙(日体大=今年の世界選手権王者が決勝でアジア王者に完敗)「情けない、の一言。何もできませんでした。世界選手権で優勝して、うわついた気持ちがあったというか、勝てるだろう、という甘い気持ちが試合に出てしまいました。

 スタンドで、もっと自分から行けばよかった。はじめから圧をかけて技を出しておけばよかったと思いますが、前半から行けなかったというか、甘さが出てしまいました。グラウンドのディフェンスもまだまだでした。当分試合がないので、体力をつけたり、今回悪かったところを修正したりしていきたい」


 ■男子グレコローマン72㎏級・高橋昭五(三恵海運=高校時代の恩師に惜敗)「オリンピック予選から半年くらいあき、(減量のない)ひとつ上の階級で試合をして感覚を戻そうと思い、72㎏級に出場しました。今日はふがいない。オリンピック予選前の練習量に比べたら、全然甘ったるい練習ばかりしていた。

 単に練習量が少なくて負けたと思っています。所属先が変わったとか、気持ちの面は関係ない。パリ・オリンピックは67㎏級で目指します。今大会の同級で優勝した遠藤功章選手や、階級を上げてくる63㎏級優勝の清水賢亮選手に負けていたら話にならない」


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 ■女子50㎏級・伊藤海(早大=決勝で世界チャンピオンの吉元玲美那に敗北**)「吉元選手とは3度目の試合。今回は勝ちに行こうと練習してきた。思うように自分から攻めることができなかった。(1点ビハインドで)ラスト30秒、ポイントにつなげられなかったところが自分の弱いところだと思いました。

 自分は体重が足りていないので、体作りも一からやろうと思っています。加えて、試合運びの部分や、最後に取り切るという力がまだないので、そういった技術面ももう一度練習で取り組んでいこうと思います」


 ■女子53㎏級・奥野春菜(自衛隊=準決勝で2019年世界選手権55kg級2位の入江ななみに4-5で黒星)「世界のトップレベルを経験させていただいているのに、それに見合うだけのレベルまで押し上げ切れていない。(3位決定戦は)負けて、すぐに試合することはなかなかないことです。そこを勝ち切れたのはよかったです。去年は(負けた後の)敗者復活戦で勝てず、今年の全日本選抜選手権では勝ちましたが、(3位決定戦までに気持ちを)切り替えられなかった。しっかりとメダルを取れたのは成長だと思います。

 (自衛隊の環境で)学ぶものや得るものは多いです。同期の乙黒拓斗選手は、練習をしている姿などを見ているだけでも自分の財産になっている気がします。(これからは)目の前の試合を確実に勝てるようになりたいです。来年の全日本選抜選手権は頑張ります」

 

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