韓国企業がついにEUV用フォトレジストを国産化か...日本の輸出規制品 有力紙報じる

韓国企業がサムスン電子の強力なバックアップにより極紫外線(EUV)フォトレジスト(PR)の開発に成功したとの報道が出ている。

韓国の有力専門紙であるEtnewsは19日、業界関係者への取材をもとに「ドンジンセミケム社が最近、サムスン電子のEUV PRの信頼性テスト(クォール)を通過したことが19日に分かった」と報じた。

同紙によると業界関係者は「ドンジンセミケムが京畿道華城の工場でEUV PRを開発し、これをサムスン電子の華城のEUVラインでテストし、最終クォールを受けた」と述べている。

ドンジンセミケムはすでにフッ化クリプトン(KrF)とフッ化アルゴン(ArF)工程用フォトレジストは量産している。EUV用フォトレジストは技術難易度がより高く、韓国での国産化には数年かかるとの見方が大勢だったが、今回の報道が事実であれば、それら見方を覆したことになる。EUV用フォトレジストは2019年7月に日本が対韓国輸出を規制(管理強化)した品目の一つだ。

Etnewsによるとドンジンセミケムは日本の輸出規制直後から開発を続けていたとされ、ベルギーの半導体研究所IMECのEUV機器などを活用したという。同紙は「これにサムスン電子がEUVテスト環境を積極的に支援し、現場で活用できる水準の品質高度化を成し遂げた」と伝えている。

同紙は早ければ来年度上半期の量産ライン投入の可能性があると指摘した。サムスン電子とドンジンセミケム側は説明を避けている。

報道を受けてドンジンセミケムの株価は20日急騰している。9時51分現在、同社株価は前取引日比で9.95%(3250ウォン)上昇となる3万5900ウォンで取引されている。

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