10万円相当給付、県内全市町は全額現金 18市町が年内に一括

10万円の給付方法

 18歳以下の子どもに対する国の計10万円相当給付で、長崎県内の全21市町が全額現金給付する方針を20日までに決めた。うち18市町は年内に一括給付する(一部の対象者除く)。多くの市町はクーポン併用を見送った理由について、市民の要望や業務負担軽減を挙げる。国の方針が定まらず、「振り回された」と不満も漏れる。
 年内に現金一括給付する18市町は島原市や西彼長与町など。多くが補正予算の成立または専決処分を済ませた。諫早、対馬、五島、雲仙の4市は21日、議会に諮る。年内給付は基本的に、申請不要な中学生以下の児童手当受給世帯。それ以外は年明け以降になる場合が多い。
 壱岐、南島原、東彼川棚の3市町は5万円ずつ2回に分ける。壱岐は17日、南島原は20日に先行分を給付した。川棚町は27日に振り込む。いずれも残りは年度内になる。
 給付には年収960万円の所得制限があるが、北松小値賀町だけが独自に制限を撤廃。対象外だった2世帯3人にも給付する。
 国は当初、先に5万円を現金給付し、残りは来年春にクーポンを配る方針だった。しかし、過大なクーポン関連事務経費が明らかになり、新型コロナウイルスワクチン追加接種の対応などに追われる自治体から不満が噴出。現金給付を容認し、最終的に年内の一括給付も認めた。
 県内の市町からも「コロナ対応でどこもマンパワーが不足している。自治体の実情を分かっていない」「時間的余裕がない中でやり方が二転三転した。対応が難しかった」などと不満が出た。
 県によると、県内給付対象者は約20万4千人。うち中学生以下は約17万人。


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