長崎県内の雑居ビル緊急検査 430棟対象、年内完了方針 各消防本部

避難経路となる階段付近や消防設備の設置状況を確認する長崎市中央消防署員=同市桶屋町

 24人が死亡した大阪市北区の雑居ビル火災を受け、長崎市消防局は20日、西彼長与、時津両町を含む管内の雑居ビル237棟に対し、避難経路などを確認する緊急の立ち入り検査を始めた。県によると、県内の対象は計430棟。各消防本部が年内をめどに検査を完了する方針。
 対象は、大阪市のビルと同様に屋内階段が1カ所しかなく、地下または3階以上に飲食店などがあり、不特定多数の人が利用する雑居ビル。消防庁が19日に各都道府県を通じ全国の消防本部に要請した。
 県消防保安室によると、長崎市以外の消防本部ごとの内訳は▽佐世保市106▽県央37▽島原20▽対馬市13▽壱岐市7▽五島市8▽新上五島町2-。平戸、松浦両市は対象物件がなかった。
 20日、3階に診療所が入る長崎市内の5階建てビルでは、市中央消防署員らが所有者立ち会いの下、避難経路が確保されているかを重点的にチェック。ベルトやロープを使って窓から避難する器具など消防設備の維持管理状況も見て回り、不備は確認されなかった。
 同署は「階段や防火扉の前に物を置かないなど避難に支障がないようにし、消防設備の取り扱い方法を日ごろから確認し、いざというときに備えてほしい」としている。


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