わがまち回顧2021 東京支社 重点支援地域に国境の島

日本遺産に選ばれている明星院本堂=五島市吉田町

 文化庁が認定する日本遺産に本年度、評価制度が導入され、本県の「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋~」が他の日本遺産のモデルとなる重点支援地域に選ばれた。
 日本遺産は有形無形の文化財を物語として結び、観光資源に活用する取り組み。重点支援地域は補助の割合がかさ上げされる。選定理由について文化庁は、旅行関連商品の開発や人材育成の土台が整備されている点を挙げ「今後の成果が期待できる」と評価した。
 「国境の島」は、古代から融和と衝突を繰り返しながら、大陸と交易交流してきた本県離島の歴史を物語る29の文化財で構成。弥生時代の壱岐・原の辻遺跡や、朝鮮式山城だった対馬の金田城跡をはじめ、五島には遣唐使の最終寄港地ゆかりの場所が残る。往時を想起させるのに十分な、国際色豊かでバラエティーに富む文化財ばかりだ。
 期待した交流人口増は新型コロナウイルスの感染拡大で阻まれたが、住民の理解と参画、遺産の磨き上げをさらに進め、コロナ収束後の観光立県推進のけん引役として備える必要があるだろう。
 主なニュースは▽九州新幹線長崎ルート未着工区間の協議進まず▽金子原二郎参院議員が農相就任▽前衆院議員の冨岡勉、加藤寛治2氏が引退▽西九州自動車道や島原道路の予算が大幅増


© 株式会社長崎新聞社