阪神投手はゴロ割合の高さに特徴 12球団の「ゴロ投手」と「フライ投手」は誰?

阪神・青柳晃洋(左)と秋山拓巳【写真:荒川祐史】

先発投手のトップはDeNAのロメロで60.1%

投手によって、それぞれの特徴がある投球スタイル。三振を多く奪うタイプもいれば、俗にいう「打たせて取る」タイプもいる。その打たせて取るタイプでもゴロが多い“ゴロピッチャー”、フライが多い“フライピッチャー”に分かれる。

では、今季のプロ野球でこの“ゴロピッチャー”と“フライピッチャー”は誰だったのだろうか。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTAのデータをもとに検証してみたい。

今季、先発投手として70イニング以上投げた投手で、最もゴロ割合が高かったのは、DeNAのフェルナンド・ロメロ投手。先発ではただ1人、ゴロ割合が60%を超え、60.1%を記録した。ロメロに続くのは阪神の青柳晃洋投手。青柳はこれまでのもゴロ割合が高い投手として知られ、球界でも指折りの“ゴロピッチャー”と言える。

パ・リーグでトップだったのはオリックスの山本由伸投手。今季投手4冠に輝き、沢村賞も獲得した右腕のゴロ割合は57.2%。奪三振数も多い山本だが、ゴロ割合も高く、三振とゴロを中心にアウトを積み重ねていたことが表れている。

先発投手の上位10人に阪神から青柳、ガンケル、伊藤将の3人

上位3人に続くのが阪神のジョー・ガンケル投手、ヤクルトの田口麗斗投手、阪神の伊藤将司投手、DeNAの大貫晋一投手、日本ハムのドリュー・バーヘイゲン投手と続いていく。上位10人に阪神勢が3人入っているのが興味深いところだ。

リリーフに目を移してみよう。今季30イニング以上に登板したリリーフ投手の中でゴロ割合が高かったのは、ヤクルトの大西広樹投手で63.3%を記録。中日の守護神ライデル・マルティネス投手が61.7%、広島のケムナ誠投手が60.9%で続いている。

では「フライピッチャー」はどうか。70イニング超に投げた先発投手でフライ割合が最も高いのは阪神の秋山拓巳投手、楽天の岸孝之投手で55.0%。実にアウトになった打球の半分以上はフライアウトだった。2人に次ぐのは広島の高橋昂也投手、西武の松本航投手で54.7%となり、広島の玉村昇悟投手、楽天の瀧中瞭太投手と続いていく。

30イニング超を投げたリリーフでフライ割合トップはヤクルトの坂本光士郎投手で63.3%。日本ハムの堀瑞輝投手が62.6%、同じく日本ハムの西村天裕投手が61.8%と続く。日本ハムは河野竜生投手も56.0%でリリーフでは8位に入っており、日本ハム勢が高い指標となっている。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。

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