イートンの車両グループが米国エネルギー省の助成金を獲得、農業分野向けの排出量削減技術を開発へ

米ミシガン州ゲールズバーグ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- パワー・マネジメント企業のイートンは本日、当社の車両グループが米国エネルギー省(DOE)から、農業機器からの排出量を削減するための新技術を開発すべく、240万ドルの助成金を獲得したと発表しました。この助成金により、イートンの2030年持続可能性目標の達成における当社の前進が加速されます。2030年までに、当社はそのソリューションとバリューチェーンでの排出量を15%削減することを目指しています。

イートンはこの助成金を使用して、マルチデューティーサイクル用に設計された農業用パワートレーンについて、温室効果ガス(GHG)を10%削減すると同時に、窒素酸化物(NOx)を90%削減する技術の開発を計画しています。この技術は、当分野に幅広く適用できる方で、費用効率と堅牢性の両方が求められます。これとは別に、イートンは、DC急速充電システムのコストとサイズを削減するためのコンパクトなモジュール式の新ソリッドステート変圧器の開発で、490万ドルの助成金も獲得しました。

イートンの車両グループの技術計画・政府事業担当ディレクターであるMihai Dorobantu博士は、次のように述べています。「農業分野を含むオフハイウェイ分野の排出量レベルは、技術ソリューションの欠如により、オンロードアプリケーションに大きく後れをとっています。この助成金により、GHGとNOxの両方で排出量の著しい削減が実現する可能性があり、それによって本技術とその利点が全国的に推進され、企業の持続可能性で当社が掲げた目標の達成が後押しされます。DOEの資金は、脱炭素化が困難なアプリケーションにおける排出量を削減する技術を開発するための当社の継続的な活動を支えるものです。この資金により、アーキテクチャーとコンポーネントを最適化するための提携研究も実現します。」

助成金の目的を達成するために、イートンの車両グループは、農業アプリケーションのための新しいコンポーネントを開発し、エンジンや後処理システムなど、商用車用に開発された既存の技術を改良します。農業用ソリューションは、独自の変化する動作サイクルの中で使用されるため、高度なオンロード技術とは異なります。

技術の広範なポートフォリオを活用して目標を達成

イートンは有力なエンジン製造業者と提携することで、高いエンジン圧縮比をもたらし、摩擦を減らし、機械損失を最小限に抑えながらターボ機械効率を高める革新的な技術を通じて、DOE目標を達成する計画 です。

イートンは、本来は商用車用に設計された可変バルブアクチュエーション(VVA)ソリューションの当社ラインを、農業利用に適応させます。イートンのVVA技術は、2つの構成要素、すなわち切り替え可能なカプセルを備えたロッカーと、完全休止のためのスプリットロッカーに基づいています。この2つの構成要素を組み合わせることで、ほぼすべてのエンジンアーキテクチャー(シングルオーバーヘッドカム、デュアルオーバーヘッドカム、さらにはカムインブロックエンジン)と、2.0リットルから15.0リットルまでのエンジン排気量の範囲で、幾つかのVVA戦略を利用することができます。

気筒休止(CDA)は、エンジンの低負荷運転時に一部の気筒で吸排気バルブの開口と燃料噴射を停止させるVVA技術の1つです。CDAは、頻繁に停車する商用車に加え、多くの農業機械に最適なソリューションです。CDAは、NOx 排出量を最大40%、二酸化炭素(CO)を5~8%削減することができます。

イートンはまた、DOE目標の達成の一環として、排気熱管理を補佐する能動触媒加熱技術にも取り組みます。能動加熱ソリュ―ションは、車両の後処理システムに直接熱を供給し、選択触媒還元(SCR)触媒を可能な限り速く約200~250℃に温め、低負荷運転時にこの温度を維持することにより、有害なNOx排出量を減らします。

さらにイートンは、その容積式TVS排ガス再循環(EGR)ポンプを活用して、プログラムの目標を達成する計画です。EGRポンプは高効率ターボチャージャーを補完し、エンジンのポンプ損失を削減し、それによって燃費を向上させ、排出量を削減します。このポンプは容積式装置であるため、エンジン制御器はポンプ速度信号と、他のコントローラーエリアネットワーク(CAN)のセンサーデータを使用して、EGR質量流量を正確に計算します。

Dorobantuは、次のように述べています。「このプログラムは、オフハイウェイ分野における2つの市場ドライバーを形成するための基盤となります。すなわち、この分野でGHGとNOxの排出量を削減するための今後の規制と、エンドユーザーにとって生み出される相当の経済的利益です。」

DOEによるDC急速充電の助成金は、エンドユーザー施設での充電インフラの設置にかかる時間を大幅に削減することを目的としています。イートンの新技術は、高度なコンポーネントと革新的な冷却手法を特徴とするものとなり、複数の電力変換装置の必要性を取り除きます。目標は、施設変更の必要性を最小限に抑え、遠隔地での充電施設を実現することで、商用電気自動車の導入に伴う充電インフラの障壁を減らすことです。この助成金は、2030年までに米国で販売される全自動車の半分をゼロエミッション車にし、2050年までに経済全体で排出量正味ゼロを達成するというDOEの約束に沿ったものです。

この助成金はまた、車両の効率性、安全性、性能を向上させる持続可能なソリューションを生み出すという、イートンの車両グループとeモビリティー事業部門の使命を支えるものです。当社の車両製品には、排ガス制御コンポーネント、エンジンバルブ、バルブトレーンシステム、スーパーチャージャー、トランスミッション、クラッチ、トルク管理システムが含まれます。当社のeモビリティーポートフォリオには、電動車両用のインテリジェントパワーエレクトロニクス、信頼性の高い配電/保護ソリューション、効率的なパワーシステムが含まれます。

イートンの車両グループとeモビリティー事業部門の詳細情報をご覧ください。

イートンのミッションは、パワー・マネジメント技術とサービスを使用して生活の質と環境を改善することです。当社は、顧客による電気・油圧・機械式動力の効果的な管理を支援できる安全で効率的で信頼性のある持続可能なソリューションを提供しています。イートンの2020年の売上高は179億ドルで、175カ国を超えるお客さまに製品を販売しています。従業員数は約8万5000人です。詳細情報については、www.eaton.comをご覧ください。

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