工事で発掘…不明タイムカプセル発見 宇都宮・城東小、45年越し「奇跡的」対面

見つかった画用紙などを手にする大塚さん(右)と平松校長

 宇都宮市城東小で、45年前に卒業記念として校庭に埋められたタイムカプセルが11月に見つかった。1987年の校庭拡張工事によって所在不明となっていたが、校庭での学童保育施設建設工事中に発見された。45年前の卒業生で同校同窓会長の大塚和恵(おおつかかずえ)さん(57)は「こんなに奇跡的なことはない」と喜ぶ。来年1月、中身を本人に返却する式典を同校で行う。

 タイムカプセルは、同校の第1期卒業生である76年度卒の62人が埋めた。当時流行したタイムカプセルを卒業記念として実施。21世紀に入ってから、1月20日の創立記念日に開封することを約束した。

 その後、87年の校庭拡張工事で当時の教員が別の場所に移したが、退職後他界し、所在を知る人がいなくなってしまった。大塚さんによると、同級生で集まるたびにタイムカプセルが話題となったが、「見つからないよね」と諦めていた。

 転機が訪れたのは今年11月4日。校庭の整地作業をしていた作業員がタイムカプセルを発見した。校庭で工事が行われることを知った大塚さんが平松和巳(ひらまつかずみ)校長(58)にタイムカプセルが埋まっている可能性があることを事前に伝えていたため、工事関係者に知らされていた。

 工事の際、カプセルとして使われた陶器のかめは割れてしまったが、中身はきれいな状態で掘り出された。校舎を描いた画用紙や野球ボール、ビニールに包まれた教科書やノート、遠足のしおりなど、思い出の品々が入っていた。

 返却式典は、来年1月23日に同校体育館で行われる。自治会の回覧板などを通じて周知する。大塚さんは「できるだけ多くの人に返したい。遠くにいるなら家族に渡すか郵送し、亡くなった方にはお墓へ返したい」と連絡を呼び掛けている。

 平松校長は「タイムカプセルが学校の歴史を伝え、人と人をつないでくれている。すてきなことで、学校としてもお手伝いしたい」と話している。(問)同校028.635.9534。

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