陸上・福士加代子引退へ 来年1月の全国女子駅伝、大阪ハーフマラソン最後に

今年5月3日の日本選手権女子1万メートルを走り終えた後、観客席に手を振る福士(静岡スタジアム)

 陸上女子長距離で五輪に4大会連続出場した福士加代子(39)=ワコール=が22日、来年1月で現役を引退する意向を発表した。1月16日に京都市で行われる第40回全国都道府県対抗女子駅伝を走った後、30日の大阪ハーフマラソンを最後に第一線を退く。20年以上日本女子長距離界を引っ張ってきた名ランナーのラスト2レースとなる。

 ワコール女子陸上部のホームページで発表した。直筆のメッセージで「ワコール陸上部員として22年間、私は、走ることに夢中でした!!あと2つのレースを今までと変わらず全力で楽しんで走りたいと思いますので、福士加代子をまた応援してください」とつづった。

 青森県板柳町出身で、五所川原工高で陸上を始めた。2000年春にワコールに入社。高校までは無名の選手だったが社会人で急速に力を伸ばし、02年に3000メートルと5000メートルで当時の日本新記録をマークして「トラックの女王」と呼ばれた。ハーフマラソンでは06年に当時の日本新記録を樹立。駅伝でもエース区間で何度もごぼう抜きを見せた。

 五輪は04年のアテネから北京、ロンドンと3大会連続でトラック種目の代表となり、16年のリオデジャネイロ大会はマラソンで出場した。世界選手権は5度出場し、日本選手権は1万メートルで6連覇を含む7度の優勝。5000メートルで4連覇を含む6度頂点に立った。

 マラソンは計14度挑み、初挑戦した08年の大阪国際女子は終盤に転倒を繰り返しながら完走した。13年の世界選手権モスクワ大会で銅メダル。16年1月の大阪国際女子で2時間22分17秒をマークした。東京五輪に向けて挑戦を続け、マラソンとトラックの両方で選考レースに出場。今年5月の日本選手権1万メートルは最下位だったが、笑顔で走りきり、感極まった表情を見せた。

 全国女子駅伝は青森と京都で計9度出場。古里の青森チームでアンカーの9区を走った32回大会(14年)以来の出場となる。

福士加代子

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