【高校発・みやざきSDGs】ー38ー宮崎南(上) 地域の課題自分事に

宮崎市子ども未来部親子保健課にパンフレットの配布を依頼する宮崎南高の生徒たち(右)

 本校は普通科とフロンティア科の2学科を有し、両科で持続可能な地域社会に関する探究活動を行っている。また、2019年に文科省から『地域との協働による高等学校教育改革推進事業・地域魅力化型』に指定され、地域の協力も得ながらSDGsを視野に入れた取り組みを実施している。

 その中から普通科2年生一班の取り組みを紹介したい。彼らは本県の医療を調べていく中で、白血病の死亡率が他県に比べ高いことを知った。さらに調べていくと、白血病には臍帯血(さいたいけつ)を用いた治療が有効であることが分かった。このことを広く認知してもらう目的で、パンフレットを作成した。具体的には本県の臍帯血の提供状況や移植状況について、病院などにアンケートを行い、その結果を分析。宮崎市子ども未来部親子保健課を通じて妊婦の方へ配付をしてもらった。今後妊婦へのアンケートを踏まえ、パンフレットのブラッシュアップを計画している。班長である中窪洸子さんは「多くの妊婦の方にこのことを知ってもらい、少しでも病気で苦しむ人の一助となれば」と考えている。

 このように、本校では地域の課題を自分の事として考え、行動に移すことができる生徒が育ってきている。これはこの3年間に、多くの地域の方が本校の教育に携わっていただいた成果である。今後も地域に開かれた学校として、地域の方々との連携・協働による教育活動を進めていきたい。このことこそが、若者の地元定着率向上に一番重要なことではないかと考える。(教諭・池田美華子)

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