殿堂入り投票ノミネート30名 各選手の「知っておくべきデータ」

2022年度のアメリカ野球殿堂入り投票は年内いっぱいで締め切られ、日本時間1月26日に結果発表が行われる。今回、投票用紙に名前が掲載されている候補者は30名。アレックス・ロドリゲス、デービッド・オルティスら13名が初登場し、カート・シリング、バリー・ボンズ、ロジャー・クレメンス、サミー・ソーサの4名はラストチャンスとなる10年目を迎える。メジャーリーグ公式サイトのアンドリュー・サイモン記者は30名の候補者全員について「知っておくべきデータ」を1つずつ厳選し、紹介している。

ボビー・アブレイユ:通算250本塁打以上かつ400盗塁以上を記録した6人のうちの1人(他の5人はクレイグ・ビジオ、バリー・ボンズ、ボビー・ボンズ、リッキー・ヘンダーソン、ジョー・モーガン)。

バリー・ボンズ:22年のキャリアを前半11年と後半11年に分けると、前半のWAR(ベースボール・リファレンス版)83.6はケン・グリフィーJr.(83.8)のすぐ下、野手史上37位に相当し、後半の79.1はジョー・ディマジオ(79.2)のすぐ下、野手史上42位に相当する。

マーク・バーリー:2001年から現役ラストイヤーまで15年連続で30試合以上に先発して198回2/3以上を投げ、15年連続2ケタ勝利を記録。故障者リスト入りは1度もなかった。

ロジャー・クレメンス:サイ・ヤング賞を史上最多の7度受賞。他のどの右腕2人の受賞回数を合計しても超えられない。

カール・クロフォード:2000年以降、123三塁打はメジャー2位、480盗塁は同4位、シーズン45盗塁以上7度はフアン・ピエール(8度)に次ぐ同2位。

プリンス・フィルダー:2006~13年の8年間で1283試合出場はメジャー最多、724四球は同2位、283本塁打と860打点は同4位。

トッド・ヘルトン:2000年以降、球場補正を加えて算出された「OPS+」で160以上を4度記録した5人のうちの1人(他の4人はバリー・ボンズ、ミゲル・カブレラ、アルバート・プーホルス、マイク・トラウト)。

ライアン・ハワード:MVPを受賞した2006年に58本塁打、149打点を記録。同一シーズンに58本塁打以上かつ149打点以上を記録した打者は他にジミー・フォックス、ベーブ・ルース、サミー・ソーサの3人だけ。

ティム・ハドソン:本塁打が量産された時代にグラウンドボール投手として活躍。9イニングあたりの通算被本塁打0.71本は1995年以降に2000イニング以上を投げた65人の投手でベストの数字。

トリー・ハンター:中堅手としてゴールドグラブ賞を9度受賞(2001年から9年連続)。これはウィリー・メイズ(12度)、ケン・グリフィーJr.(10度)、アンドリュー・ジョーンズ(10度)に次ぐ回数。

アンドリュー・ジョーンズ:「Total Zone Runs」という守備指標で通算253を記録。メジャー史上、これを上回るのは名三塁手ブルックス・ロビンソン(293)だけ。

ジェフ・ケント:二塁手として史上最多の351本塁打を放っただけでなく、前記録保持者のライン・サンドバーグに74本もの大差をつけた。

ティム・リンスカム:メジャー最初の3シーズンで複数のサイ・ヤング賞を受賞した史上唯一の投手(2008年から2年連続受賞)。

ジャスティン・モーノウ:カナダ出身の選手のうち、MVPを受賞した3人のうちの1人、首位打者に輝いた2人のうちの1人、唯一のホームラン・ダービー王者。

ジョー・ネイサン:35セーブ以上かつ防御率2.00未満を5度記録。これは満票で殿堂入りしたマリアーノ・リベラ(9度)に次ぐ史上2位。

デービッド・オルティス:現役ラストイヤーの2016年にメジャートップの長打率.620とOPS1.021を記録。48二塁打、38本塁打、127打点は現役最終年のメジャー記録。

ジョナサン・パペルボン:ポストシーズン初登板から17試合連続無失点は史上4人しか達成していない快挙。この17試合で26イニングを無失点に抑え、相手打者をOPS.339に封じた。

ジェイク・ピービー:サイ・ヤング賞を受賞した2007年に19勝、防御率2.54、240奪三振で投手三冠を獲得。1940年以降のナ・リーグで投手三冠を達成したのは他にクレイトン・カーショウ、ランディ・ジョンソン、ドワイト・グッデン、スティーブ・カールトン、サンディ・コーファックスの5人だけ。

アンディ・ペティット:メジャー1年目から9年連続でポストシーズンに出場するなど、通算44先発、276回2/3、19勝はいずれもポストシーズンのメジャー記録。

A・J・ピアジンスキー:捕手として100試合以上に出場したシーズンが14度もあり、捕手として史上7位となる通算出場イニング16335回1/3を記録。

マニー・ラミレス:通算9774打席でOPS.996を記録。これより多い打席数でOPS.996以上をマークしたのはバリー・ボンズ、ベーブ・ルース、テッド・ウィリアムスの3人だけ。

アレックス・ロドリゲス:異なる2つのポジションで通算本塁打数トップ15にランクイン(遊撃手として344本塁打は2位、三塁手として287本塁打は14位)。

スコット・ローレン:DHも含め、三塁以外のポジションを守ったことが1度もない。通算出場イニング17479回1/3はすべて三塁手として記録したものであり、「Total Zone Runs」は三塁手史上6位となる140をマーク。

ジミー・ロリンズ:MVPを受賞した2007年に史上唯一となる20三塁打、30本塁打、40盗塁を達成。

カート・シリング:奪三振と与四球の比率でリーグ1位を5度記録したが、すべて34歳以降のシーズン。34歳以降に700イニング以上を投げた投手のなかで奪三振と与四球の比率(K/BB)6.50はダントツの数字。

ゲーリー・シェフィールド:1996年に42本塁打、142四球、66三振を記録。1955年以降、シーズン40本塁打以上で四球と三振の比率がこれより優秀だった打者はバリー・ボンズだけ。

サミー・ソーサ:2001年に史上7位となる425塁打を記録。1948年にスタン・ミュージアルが429塁打をマークして以来の数字だった。

マーク・テシェイラ:メジャー最初の9年間で314本塁打、1017打点を記録。最初の9年間の数字としては本塁打数、打点数ともに史上5位。

オマー・ビスケル:45歳の誕生日を迎えてから遊撃手として出場した史上唯一の選手。40歳以降に遊撃手として266試合に出場したが、1950年以降、他の全選手を合計しても292試合だけ。

ビリー・ワグナー:30試合以上に登板した13シーズンで防御率が2.85を超えたことが1度もなかった。ライブボール時代(1920年以降)において通算防御率2.31は750イニング以上の投手でマリアーノ・リベラに次ぐ2位、WHIP0.998はリベラ(1.000)をわずかに上回ってベストの数字である。

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