神奈川・箱根駒ケ岳ロープウェーで訓練 昨年の緊急停止時に乗客ら取り残され

「箱根駒ケ岳ロープウェー」の緊急停止を想定し、けが人に見立てた人形を地上へ降ろす消防隊員ら=22日、箱根町元箱根

 神奈川県箱根町の芦ノ湖畔と駒ケ岳山頂をつなぐ「箱根駒ケ岳ロープウェー」で22日、町消防本部や横浜市消防局などから約100人が参加する合同救助訓練が実施された。傷病者をヘリコプターで搬送するなどのシミュレーションで行われ、緊急時の動きを確認した。

 訓練では、ロープウエーの箱根園駅始点から約70メートル、高さ約12メートル地点でゴンドラが停止。ドローンを使って状況を把握しつつ、けが人に見立てた人形をストレッチャーに収容して地上へ降ろした。標高約1350メートルの山頂では、ロープウエー停止時に容体が悪化した利用客が駅に取り残された状況を想定。市消防局と県警のヘリコプターを使い、平塚市民病院まで搬送した。

 同ロープウエーでは、昨年10月、機械トラブルで乗客らが取り残される事態が発生。訓練に携わった箱根町消防署の遠藤慎一救助係長(48)は「予期せぬ緊急停止や自然災害が発生した場合、消防だけでは対応しきれない。現場に携わる機関同士で連携するべきことなどを再確認できた」と話した。

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