平塚市議の個人情報持ち出し訴訟 市が和解受け入れを検討「主張が一定程度認められた」

平塚市役所

 平塚市議の渡部亮氏(42)が市職員時代に市民の個人情報を持ち出して市議選に利用したとして、市が約220万円の損害賠償を同氏に求めた訴訟を巡り、落合克宏市長は22日の定例会見で、横浜地裁小田原支部からの和解勧告を受け入れる方向で検討していることを明らかにした。

 落合市長は「本市の主張が一定程度認められた内容。年明けにはそういうことを踏まえて対応したい」と述べた。市はこれまで、渡部氏に満額の賠償と市民への説明を求める姿勢を示してきたが、落合市長は「裁判所の勧告を重く受け止めている。渡部氏には引き続き市民に対して説明責任を果たしていただきたいという姿勢は変わらない」とした。

 市は昨年3月、個人情報が持ち出されたとされる市民宛てに市が送った「おわび状」約2万3千通の作成費や郵送料などに相当する約220万円の損害賠償を求めて同支部に提訴。今年5月までに3回、口頭弁論が開かれ、10月に同支部から和解勧告を受けた。市は、来年の市議会3月定例会で議会の承認を得たい考えだ。

 訴えによると、渡部氏は市スポーツ課職員だった2018年11月29日と退職翌日の同年12月22日、市役所や市の施設のパソコンから多数の市民の個人情報を不正に持ち出した、としている。

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