40年前の神奈川県職員の公金詐取事件 1億1千万円が未回収 近年は毎月千円ずつ返金

包括外部監査人の椎名弁護士から監査結果報告書を受け取る黒岩知事(左)=22日午前、県庁

 約40年前に神奈川県職員が約1億2千万円の公金を詐取した事件で、未回収の被害金額が今年3月末時点で約1億1380万円に上ることが22日、分かった。県は元職員に返済を求めているが、近年は毎月千円ずつしか返金されていない。

 県の包括外部監査人(椎名毅弁護士)がまとめた2021年度の監査結果報告書によると、元県藤沢出納事務所職員は1981年から82年にかけて1億2278万円の公金を詐取し、82年6月に逮捕された。県は同年、元職員と家屋処分などによる弁済金約800万円を除いた約1億1444万円の弁済を合意した。

 元職員はその後、刑務所を仮出所するも別件で逮捕されたり、行方不明になったりしたが、県は戸籍の付票を確認するなどして行方を捜し、2004年から毎月千円ずつ返済することを約束させた。その後も再三連絡が取れなくなるなどしたが、18年12月に手紙が届き、同月以降は毎月千円の返済を受けている。

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