年間600万トンにも及ぶフードロスの解消法は…政府が評した取り組みを取材

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、“フードロスを活かす取り組み”についてキャスターの田中陽南が取材しました。

◆政府も高く評価するフードロス対策

現在、深刻な社会問題となっているフードロスについて、今回田中が取材したのは神奈川県相模原市にある「日本フードエコロジーセンター」。その取り組みは国から評価され、過去には内閣総理大臣から表彰されたことも。

同社の北野さんの案内のもと工場内を見せてもらうと、そこには衝撃的な光景が。「こんなに食品ロスが出るんですね。コンテナに山盛りでたくさん……」と田中はその廃棄量に思わず絶句。

日本フードエコロジーセンターで扱う廃棄食品量は1日なんと約35トン。日本国内で見ると、年間およそ600万トンものフードロスが出ており、これは日本人1人あたり毎日お茶碗1杯分を捨てている計算になります。

さらに、工場内には信じがたいフードロス、消費期限前のパンも。なぜ廃棄されたのかというと、メーカーが受注を予測して生産したものの小売店からの発注がなかったから。

このように大量のフードロスが出る一方で、世界には飢餓に苦しむ人がいるのも事実。また、こうしたフードロスは焼却処分する工場も多く、その際に排出される二酸化炭素も環境問題の大きな課題となっています。

そんななか、日本フードエコロジーセンターでは廃棄された食品を豚用の飼料へと生まれ変わらせています。

これは集めた廃棄食品のなかからスタッフが手作業で金属やプラスチックなどを取り除き、細かく砕いて殺菌・発酵。そして液体状にします。豚の飼料は液体状にすることで、水分も一緒に摂取することができ、一石二鳥だとか。こうしたフードロスを有効利用する取り組みなどが評価され、日本フードエコロジーセンターは2018年にジャパンSDGsアワードの「本部長賞」を受賞しました。

◆フードロスを減らすためのさまざまな取り組み

日本フードエコロジーセンターの試みにスタジオ一同驚くなか、インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは「まず消費期限前のものが捨てられていることが意外だった」と目を見張ります。

能條さんは自身のメディアなどでこれまでフードロスに関してたびたび問題提起してきましたが、「私自身は(ゴミを堆肥に変える)コンポストなどをやっているが、やはり業務用となると違うと思ったときに、こうした取り組みをしていることは素晴らしい」と称賛。

また、政治プラットフォーム「PoliPoli」代表の伊藤和真さんも「こうした取り組みは、とても勉強になった」と感心します。

そして、実際に取材した田中は「(日本フードエコロジーセンターは)食品廃棄工場というよりも豚のエサを作っている工場という感覚だった。そういう感覚が大事だと感じた」と言います。

現在は、日本フードエコロジーセンターの試み以外にもさまざまなフードロス対策が行われており、例えばカンロ株式会社のお菓子「ナッツボン」は使用するナッツを変更し、焙煎方法を変えることで賞味期限を6ヵ月から12ヵ月と2倍に延長。また、環境省は「てまえどり」を提唱。これは、商品を手前からとってくださいというもので、コンビニ4社が参加しています。さらに、社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」では、パッケージがワケアリのものや賞味期限が近い商品を最大97%オフで販売し、売り上げの一部を寄付しています。

こうした企業の取り組みに対し、能條さんは「個人ベースでできることは当然やりつつ、フードロスはやはり業務側から出るものが多いので、企業に声を届けることなど課題はある」と指摘。一方で、以前大きな注目を集めた「恵方巻」の大量廃棄問題を引き合いに「恵方巻の問題は(世間で大きな話題となったことで)この数年改善が見られると思うので、そういうことが増えていけば」と期待を寄せていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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