新幹線「かもめ」初公開 JR九州、長崎ルートに導入 青柳社長「九州を元気に」

九州新幹線長崎ルートに導入される列車「かもめ」=山口県、日立製作所笠戸事業所

 JR九州は22日、来年秋に部分開業する九州新幹線長崎ルートに導入する列車「かもめ」を、山口県下松市の日立製作所笠戸事業所で報道陣に初公開した。車両は来年1月に大村市の車両基地に輸送される予定。JR九州の青柳俊彦社長は「『かもめ』を起爆剤に九州を元気にしたい」と活性化に期待を語った。
 車両は東海道新幹線の「N700S」を使用。指定席(横4席)と自由席(横5席)が各3両の計396人乗り。外装は白と同社のコーポレートカラーである赤のツートンカラー。側面の「かもめ」の文字は毛筆でデザインされている。内外装は豪華寝台列車「ななつ星in九州」などを手掛けた水戸岡鋭治氏が担当し、伝統感と高級感を意識した「JR九州らしい」デザインとカラーになっている。
 同事業所であった公開セレモニーで、青柳社長は「オンリーワンの車両。(コロナ禍の)もやもやを吹き飛ばしたいという思いで運転開始の準備をしている。『かもめ』で九州に元気をよみがえらせたい」とあいさつ。その後、車両がお披露目され、関係者がテープカットで祝った。
 セレモニー後、水戸岡氏は「(乗車が)短い時間でも満足感や居心地の良さを感じられる車両になっていってほしい」と語った。
 長崎ルートは博多-長崎の全長143キロ。このうち、武雄温泉-長崎(約66キロ)はフル規格で整備し、新幹線と在来線特急を武雄温泉のホーム対面で乗り換える「リレー方式」で部分開業する。佐賀県内の未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式はまだ決まっていない。

公開された指定席車両の車内。「唐草」など座席の絵柄は車両ごとに異なる

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