ネコが絶滅危惧種を捕食? トクノシマトゲネズミ、7匹の死骸見つかる 世界自然遺産の島・徳之島

猫に捕食されたとみられるトクノシマトゲネズミ=10月27日、天城町与名間(環境省提供)

 環境省は23日、天城町与名間の林道で、国指定天然記念物トクノシマトゲネズミ7匹の死骸が見つかったと発表した。放し飼いの猫か、集落近辺の野良猫、野生化した猫(ノネコ)が捕食したとみている。

 同省によると、徳之島は今年、トゲネズミの餌となるドングリが豊作で、林道に現れる個体数が増えた可能性がある。「一度に大量の死骸が見つかるのは深刻な状態」として、ペット用の猫は放し飼いせず、室内飼育を徹底するよう呼び掛けている。

 10月27日、住民の知らせを受けた職員が林道約750メートルの区間で食いちぎられたりした7匹を発見した。いずれも傷口から猫の遺伝子が検出された。わなを設置したところ、猫1匹が捕まり、ふんからトゲネズミの毛が見つかった。

 トクノシマトゲネズミは徳之島固有種。環境省レッドリストで近い将来、絶滅の危険性が高い絶滅危惧IB類に分類される。徳之島では今年、国指定特別天然記念物アマミノクロウサギ10匹も犬か猫に捕食された。

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