宇宙から軽石の位置情報チェック 沖縄県漁業無線協会がJAXA観測活用しHPで公開へ 来月にも

 沖縄県内各地の漁港や海域に軽石が漂流・漂着し多くの漁業者が出漁を自粛している問題で、沖縄県漁業無線協会が宇宙航空研究開発機構(JAXA)の観測情報を活用し、軽石の位置情報を提供する準備を進めている。最新の漂流情報を地図に落とし込む仕組みで、早ければ2022年1月にも協会のホームページなどで閲覧できるようにする。 県漁業無線協会では独自のシステムを活用して漁業者に海況を伝えているが、流動的な軽石の漂流状況の把握には課題があった。そこで今回、JAXAが気候変動観測衛星「しきさい」などで観測している軽石の漂流情報と、同協会が航行している漁船から得た情報を、地図システムに落とし込む仕組みの構築を進めている。

 同協会の担当者は「地図で詳細を示すことで、出漁や航行ルートの判断にも役立ててもらいたい。船舶航行の安全につながるシステムにしたい」と述べた。

 県によると、16日時点で出漁を自粛している漁船は、登録されている3022隻の27.7%に当たる838隻に上る。 (當銘千絵)

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