漁業再生へ 大崎上島で日本初の取り組み 地球派宣言

瀬戸内海に浮かぶ離島「大崎上島」。古くから漁業が盛んな街として栄えてきましたが、近年は海の貧栄養化により漁獲量が減少。こうしたなか、今、大崎上島で新たな試みが行われています。

瀬戸内海に浮かぶ大崎上島

瀬戸内海が今、どうなっているのか実際に潜って調査をしました。

調査したのは渡辺美佳アナウンサー

水中に潜って見えてきたのは長いロープ。その先にあったのは人間の体より高い4段に積み上げられたカゴ。これは、人工的に作られた漁礁で、まるで魚のタワーマンションです。

人工的に作られた漁礁

中を覗いてみるとカサゴやカワハギ、メバルの群れが集まっていました。

漁礁に集まる魚たち

今回行われている大崎上島のプロジェクトは、沖合にいる魚を誘導し港の中に集め、そこに新たな漁場を作るといったものです。島の周辺にある藻場や干潟と港を人工魚道で繋ぎ、海全体の生産力を高めるという考え方。港に入ってきた稚魚は、設置されたタワーの周りで育っていきます。実証実験によると、魚の産卵が確認されるなど、一定の効果が見られたそうです。

人工魚道で連携

この取り組みについて大崎内浦漁協の中村修司組合長は、「5年後10年後に自分たちにちゃんと見返りが出てくる取り組みを自らがしないと、豊かな海を実感できるようにはならない。漁業者たちは自分の生活を割いて色々な取り組みをしている。」と話します。

大崎内浦漁協の中村修司組合長

豊かな海。持続可能な漁業。
畑に肥料をまくように、海を耕し育てていかなければいけないということが求められています。
今年で3年目となるこのプロジェクト。大崎上島漁業の未来に期待が高まります。

広島ホームテレビ『5up!
地球派宣言コーナー(2021年12月22日放送)

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