ドストエフスキーを読み解く『別冊NHK100分de名著 集中講義 ドストエフスキー 五大長編を解読する』発売!

世界の多くの作家のみならず、 村上春樹や平野啓一郎など日本を代表する作家にも大きな影響を与えたロシアの文豪・ドストエフスキー(1821~1881)。 2021年は彼の生誕200年にあたる。 その記念すべき年に、 これまで NHKテキスト「100分de名著」 で取り上げた 『罪と罰』 (2013年12月)、 『カラマーゾフの兄弟』 (2019年12月/2021年11月【アンコール放送】)に 『白痴』『悪霊』『未成年』 の書き下ろし解説を加えたドストエフスキー解説の決定版 『別冊NHK100分de名著 集中講義 ドストエフスキー 五大長編を解読する』 を刊行。 著者は、 これまでドストエフスキーの翻訳・解説・研究に大きな業績を残してきた亀山郁夫さん。 本書で取り上げる五大長編すべての新訳を手掛けており(『未成年』は現在刊行中)、 集中講義の「講師」として最適・最強の存在。ドストエフスキーが、 なぜ、 どんな気持ちで、 これらの作品を書いたのか――。 理解のためのカギとヒントが充実。 長大で難解な五大作品を理解するには、 当時のロシアが置かれた社会状況と作家本人の経験が「カギ」になる。 「社会状況」とは、 農奴解放が惹起した弱肉強食・拝金主義の世の中と、 帝政ロシアへ反旗を翻す革命思想の芽生え、 それにキリスト教異端派の存在などのこと。 また、 「作家本人の経験」とは、 「父が遂げた謎の死」と革命思想に加担したことによる「死刑判決(のちに減刑)」のこと。 これらを念頭に置いて読むことで、 難解な会話や人間関係がクリアに見えてくる。 また、 登場人物がとにかく多いドストエフスキー作品。 本書では、 すべての作品の人物相関図を掲載、 読者の理解を助けます。 さらに、 作品執筆の契機となった社会事件や当時のロシア文化・宗教観、 作家本人の執筆状況などを伝える脚注も充実。

本書構成

第1講 『罪と罰』 「なぜ、 人を殺めてはいけないのか――」 金貸しの老女をその手にかけた主人公の青年・ラスコーリニコフ。 凶行に及んだ背後には、 何があったのか? 第2講 『白痴』『悪霊』『未成年』 「ロシアの闇、 復活の祈り」それぞれの作品背景には、 頽廃するロシア社会をよみがえらせたいという希望が込められていた。 第3講 『カラマーゾフの兄弟』 「父殺し、 または人間という解きがたい謎」拝金主義、 信仰と欲望、 使嗾(しそう)と黙過(もっか)……カラマーゾフ三兄弟による父殺しの真相とは、 さらに、 書かれなかった第2の小説とは?

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