2019年京急踏切事故で国交省報告書 「緊急時の運転者指導不適切」

トラックと衝突し傾いた車両=2019年9月5日午後1時ごろ、横浜市神奈川区

 国土交通省の事業用自動車事故調査委員会は24日、横浜市神奈川区の京急線の踏切で2019年に快特電車が大型トラックと衝突して脱線し、トラック運転手=当時(67)=が死亡、電車の乗客乗員77人が負傷した事故の調査報告書を公表した。運転手が幅の狭い道路に迷い込んだ際に運行管理者らに相談しなかった上、事故を防ぐための運送会社の運転者指導も不適切だったと指摘した。

 報告書によると、運転手は運行経路を急きょ変更。幅の狭い道路に迷い込んだものの、運行管理者らに連絡や相談をせず、道路状況を確認しないまま直進して踏切に進入した。一方、運送会社は運行管理者が病気治療のため不在で、運転手への指導教育や運行経路の指示などが適切に行われていなかったとしている。

 事故は19年9月5日、神奈川新町駅近くの踏切で発生。電車がトラックと衝突して3両目まで脱線した。トラックは高速道路の入り口が工事で閉まっていて迂回しようとしたとみられる。

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