海中のソーラーパネルで発電 横浜市と神奈川大が全国初、横浜港で実証実験へ

海中ソーラー発電の実験の様子(神奈川大学提供)

 横浜市と神奈川大学(同市神奈川区)は24日、海中に沈めたソーラーパネルを使う太陽光発電の実証実験を横浜港内で実施すると発表した。同大によると、海中での本格的実証実験は全国初。設置に広大な土地を必要とせず、洋上発電と比べてパネルが高温になりにくいことから発電効率の低下を防ぐ効果が期待できるという。脱炭素社会を支える新たなエネルギー源として、実用化を目指す。

 実験では、浮きなどにつなげた複数のソーラーパネル(2メートル四方)を水面から10~30センチ沈めた状態で設置。太陽光を受けながら、常に水中にあることでパネルの表面温度の上昇を防ぐ。波浪対策を講じるほか、海藻や貝類などが付着することを避けるため、パネル表面に特殊な加工を施す。

 現時点で実験開始時期は未定だが、船舶の航行に支障がない場所を市が提供する。研究は同大工学部の由井明紀教授や学生が中心となって行う予定で、すでに学内の水槽などで実験を重ねているという。

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