30年ぶり神奈川発の新品種 イチゴ「かなこまち」、小田原に初出荷へ

約30年ぶりとなる神奈川県産のイチゴの新品種「かなこまち」

 神奈川生まれの甘みをどうぞ─。品種改良で生み出された県内発のイチゴの新品種「かなこまち」が25日から小田原市公設青果地方卸売市場(同市酒匂)で初めて出荷され、県内各地で販売が開始される。

 約30年ぶりに誕生した神奈川発の新品種は甘くて歯ごたえも十分で大ぶり。今シーズンは県内全体で3トン程度の収穫見込みで市場に出回る量は限られるが、生産農家は「いずれ『紅ほっぺ』に勝つ主力品種に育てたい」と意気込んでいる。

 県内では静岡県産「紅ほっぺ」や栃木県産「とちおとめ」が主流だが、他県産と差別化した県内オリジナル品種を求める声があり、県農業技術センターが2014年から品種開発を進めていた。

 新品種「かなこまち」は「紅ほっぺ」と群馬県産「やよいひめ」を交配し誕生。神奈川生まれの美しい「小町」のイメージから名付けられた。紅ほっぺと比べると果肉が固くしっかりとした歯ごたえで、果実も大きいため「とちおとめ」より高い収穫量が見込める。同センターは「柔らかい紅ほっぺは出荷時には痛みやすい。かなこまちは紅ほっぺの弱点を補った品種」と説明する。

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