東武鉄道は24日、埼玉県久喜市北広島の南栗橋車両管区SL検修庫内で、同社3両目となる蒸気機関車(SL)「C11 123号機」の安全を祈願する「火入れ式」を行った。来春からSL「大樹(たいじゅ)」として日光・鬼怒川エリアを走る予定。
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国内では唯一となる同一形式の車両によるSL3両体制が実現する。現在運行する二つのSL「C11 207号機」「C11 325号機」のうち1両が長期検査中でも、常に2両が稼働でき、年間を通じて安定した運行が可能になる。
「C11 123号機」は、日本車両製造が1947年に製造した。滋賀県や北海道で活躍し、75年の廃車後は日本鉄道保存協会が静態保存していた。
譲り受けた東武鉄道は2019年1月から復元作業を始めた。当初は20年冬に作業の完了を目指していたが、修繕や新規に部品を作製する箇所が想定よりも多く遅れた。今後試運転などを経て22年春の運行を目指す。
車両番号の「123」は、同社が20年11月に創立123周年を迎えたことなどにちなんで決定した。
式では、ボイラーに点火するなどした。東武鉄道の根津嘉澄(ねづよしずみ)社長は「このSL大樹が東武グループと地域との密接な連携のシンボルとして魅力あふれる日光・鬼怒川エリアをけん引していくことを心から願っている」とあいさつした。