北京冬季五輪「外交ボイコット」に歓迎も― 在日ウイグル人の声

 日本政府による北京冬季五輪への政府代表団派遣見送り表明は、中国政府の迫害に苦しむ在日ウイグル人を勇気づけた。神奈川県内の女性は「本当に良かった」と歓迎する一方、「迫害自体は続いており、より強い抗議の声を上げてほしい」と訴えている。

 女性によると、故郷では2人の兄とおいが強制収容された。長兄は死亡。次兄とおいは釈放されたが、健康を取り戻せずにいる。女性も帰郷するたびに地元の公安当局から在日ウイグル人の動向を探るスパイになるよう要求されたといい、恐怖を感じて日本国籍を取得し、日本永住を決めた。

 「外交ボイコット」を巡っては、米英豪などに比べ日本の動きは慎重で、与野党問わず「中国に誤ったメッセージを送りかねない」と懸念が高まっていた。女性もやきもきする日々を送っていただけに、日本の正式表明に励まされた。

 ただ、迫害自体が解決したわけではない。強制労働疑惑も絶えず、日本に製品が流入している恐れもある。女性は日本政府だけでなく、企業や国民の意識も変わってほしいと願い、「中国製品が安い理由を考え、もっと厳しい目で見てほしい」と話している。

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