マクラーレンへの原点回帰。ガレージ59、2台の720S GT3でアジアン・ル・マン参戦へ

 近年、アストンマーティン・バンテージGT3でGTカーシリーズを戦ってきたガレージ59がメーカーをスイッチ。2022年は以前のパートナーであるマクラーレンのGT3カーでモータースポーツシーンに戻ってくることを発表した。

 イギリスのチームは過去3シーズンにわたりアストンマーティンを使用してきたが、このオフにメーカーを切り替え、2022年はマクラーレン720S GT3を導入し2台体制でAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズに参戦する予定だ。

 ガレージ59は、ロブ・ベル/シェーン・バン・ギスバーゲン/コム・レドガー組がドライブしたマクラーレン650S GT3で、2016年当時のブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップのタイトルを獲得したが、このチームがマクラーレン720S GT3を走らせるのは来シーズンのプログラムが初めての機会となる。

 英国チームにとって2022年2月のふたつの週末にドバイ・オートドロームとヤス・マリーナ・サーキットで計4レースが行われるAsLMSが、現在までに決定している唯一のプログラムだ。しかし、ル・マン24時間への自動招待権が懸かるシリーズで起用されるドライバーはまだ指名されていない。

 今シーズン、ガレージ59はアストンマーティン・バンテージGT3でAsLMSやファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパにスプリントカップとエンデュランスカップの両方に持ち込んだ。

 そんなチームの声明によると、ガレージ59は「2022年の残りシーズンに向け、計画を練っている」とのことで、年明けにはさらに多くの情報が明らかになる見込みだ。

「ガレージ59はマクラーレンとの豊かな歴史があり、2022年にふたたび彼らと手を組むことができるのは素晴らしいことだ」とチームプリンシパルのアンドリュー・カーカルディは語った。

「720S GT3は昨シーズンをとおして非常に有望なマシンに見えたので、私たちはそのクルマでレースに出ていくことを本当に楽しみにしている」

 2019年にマクラーレンからアストンマーティンにメーカーをスイッチしたガレージ59は、同年のGTWCヨーロッパ・エンデュランスカップに向けて2台のバンテージをGT3を購入し1台をプロクラスに、もう1台をアマカップで走らせた。

 その後彼らは、翌年と2021年にはシルバーカップとプロ・アマカテゴリーにフォーカスし、アレクサンダー・ウエストとクリス・グッドウインが2020年のエンデュランスカップでプロ・アマタイトルを獲得している。

 マクラーレン時代以来、初めてスプリントカップにも参加した2021年は開幕戦モンツァでプロ・アマクラス優勝こそ果たしたものの、シーズンを通しての成功には至らず。オーバーオールでのベストリザルトは、プロクラスへの“カメオ”エントリーでアストンマーティン・ワークスドライバーのマルコ・ソーレンセン/ニッキー・ティーム/ロス・ガン組を擁したトタル・スパ24時間での総合3位表彰台だった。

 2021年にガレージ59のAsLMS、ならびにスパ24時間のプロ・アマドライバーのひとりとしてチームに加わったマービン・キルホファーは先月、ベン・バーニコートがレクサスに移籍したことにともない、枠がひとつ空いたマクラーレン・オートモーティブと契約しワークスドライバーとなった。

 現時点で2022年のAsLMSには4台のマクラーレン720S GT3が登場する予定だ。この中でガレージ59の2台は、同じくイギリスチームのオプティマム・モータースポーツによるふたつのエントリーに追加されるかたちとなっている。

ガレージ59は2019年から3年間、アストンマーティン・バンテージGT3でGTWCヨーロッパなどに参戦した

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