冬のエアコンの正しい使い方!温度、風力、風向のベストな設定は?シーン別おすすめ暖房器具

寒さが厳しくなり、毎年「冬ってこんなに寒かったっけ……」と震えている人も多いはず。

この時期、生活に絶対欠かせないのが「暖房器具」、最近では、エアコンの暖房機能が主流となりつつありますが、他にもオイルヒーターやパネルヒーターなども人気な様子。昔ながらの灯油ストーブもチラホラ。

これらの「暖房器具」一体、何が違うのでしょうか?本当のところ、どれが一番いいの? そんな素朴な疑問から、意外と知らない正しい使い方、オススメの機能やお手入れの方法、シーン別の暖房器具の選び方まで、総合家電エンジニアの資格を持ち、ご自身も家電販売店に足繁く通っている本多宏行さんに聞いてみました。

冬を乗り越えるためにマストな“暖房器具”のノウハウ、今すぐチェックしておきましょう。


これだけは準備!エアコンを使う前にやるべきこと

まずは、フィルターのお掃除です。ここに埃が溜まると空気の流れが悪くなり、暖房効果は低下します。フィルター自動お掃除機能が備わっているエアコンでも2週間に1回を目安としてお手入れされることをオススメします。フィルターに埃が溜まった状態を改善することで、約5%から10%ほど消費電力を節減できるというデータも発表されています。

フィルターのお掃除が済んだら、次は室外機の確認です。ポイントは2つ。まず、1つめは“室外機の近くにモノを置かないこと”。 一般的な室外機は前面部が空気の吹出口となっており、背面部は空気の吸込口となっています。吹出口が塞がれると排気された冷風が吸込口に向かってしまい、暖房効果を著しく低下させ電気の無駄に直結します。室外機の近くにはモノを置かず、枯葉などが付着している場合には取り除いてあげましょう。

2つめが“雪に埋もれないようにすること”。特に寒冷地では雪除けの設備や強度が約束されている専用設置台などに据えて、雪に埋もれないよう工夫が必要です。モノを置いたときと同様、室外機が雪に埋もれてしまうと空気を吸い込むことができなくなり、保護機能が働いて最悪、運転が停止してしまうことも。雪に不慣れな地域では、雪除けの設備などが施工されていないので、数年振りの大雪に見舞われた際などは積もってしまう前に除雪することが大切です。

温度、風力、風向はどのように設定するのがベスト?

まず暖房に限らずですが、運転開始時に多くの電気を必要とするので、電源を付けたり消したりするのは節電という意味でも避けたいところです。それよりも大事なのは、室温調整です。設定温度を1℃下げると約10%の省エネ効果があるとされています。また、風向は下に向けるのがオススメ。暖められた空気は上昇して天井に向かうので、下に向けておくと足元から暖めることができます。

さらに、最も適切な風量で作動する「自動運転」モードが絶大な節電効果を発揮します。外出時や就寝時には「自動運転モード」と「タイマー機能」を連携活用しながら無駄な運転を防ぐようにしましょう。

部屋・シーン別、暖房器具の選び方 お得な暖房器具とは?

寝室の場合は、静音性に優れるオイルヒーターやパネルヒーターがオススメです。静音性だけでなく、ホコリが舞うことも抑えられるので、周辺の空気を汚さずに暖房効果を得ることができます。遅くまで試験勉強に励むお子様のお部屋などには、頭寒足熱に応じた足元などのピンポイント暖房に適している電気ヒーターの活用もオススメです。

各部屋にエアコンが備わっている場合は、無理して器具を足さずとも、その暖房機能を活用するのがベストとも言えます。最近では減ってきていますが、灯油やガスを熱源とした暖房機器の場合は、結露が生まれやすく、カビやダニ繁殖にも直結します。使う場合は注意しながら使うようにしましょう。

冬の換気の仕方はどうすれば?

感染症対策としても換気をすることは大切です。とはいえ、冬本番になると寒さからつい億劫になりがち。そんな時に役立つのが24時間換気システムです。2003年7月に改正建築基準法が施工され、それ以降に建築された建物には24時間換気システムが備わっています。文字通り、電源を切らなければ365日一度も停止することなく換気機能が働きます。このシステムが備わっている建物であれば、ぜひ活用しましょう。

24時間換気システムが備わっていない場合は、リビングに隣接したキッチンの換気扇を作動させるのがオススメ。他にも、トイレや脱衣所、浴室の換気扇を回すのも一定の換気効果を期待することができます。部屋の窓やサッシを開ける場合、エアコンに近いところを開けてしまうと暖気が直接室外へ逃げてしまいますので、なるべくエアコンから離れた位置の窓やサッシを開けるようにします。難しい場合には隣接する部屋のドアを開けたうえで、その部屋の窓やサッシを開けておくと間接的な換気が可能です。また、帰宅して直ぐに窓やサッシを開けて換気してしまうと、室温が急激に下がってしまうので、ある程度お部屋を暖めてから開けると良いでしょう。

寝るときの暖房器具の使い方は?タイマー、アラームどちらが効果的?

冬の「布団から出るのが辛い問題」には暖房のタイマー機能を使うのがオススメ。設定する時間は、起きる時間の30分ほど前で大丈夫です。わずか30分でも部屋は暖まっており、通勤や通学前の準備を快適に行なえるかと思います。また、就寝の際に冷え切った布団に入るのが辛い人は電気毛布もオススメです。最近では、消費電力が低く、電気代も抑え気味など、さまざまなタイプのものが発売されていますので要チェックでしょう。

最近の暖房器具はここがすごい!最新機能を紹介

やはり、昨今の感染予防から、換気機能に各社力を入れています。換気機能があるエアコンは15年以上前にも存在していたのですが、最近ではお部屋にある熱気や湿度、さらには臭いまでを排気しながら冷暖房のできるエアコンや、お部屋の人数と熱量を検知しながら排出される二酸化炭素の量を予測しつつ、必要に応じて換気の必要性を音声で伝えてくれるエアコンなども。また、即暖性は劣るものの、お部屋の空気を汚すことなく、機器本体に触れても火傷する可能性の低いオイルヒーターやパネルヒーターも注目です。

一段と寒さが厳しくなる中、「暖房器具」を正しく使って、快適な環境で過ごしたいですね。

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