【有馬記念/穴馬アナライズ-後編】“単勝20倍”前後の伏兵 右肩上がりの成長で懸念点を払拭

前編」ではレース展開から差し・追込に着目。昨年11番人気2着・サラキアのような大外強襲をイメージし、「後編」では後方待機の馬から穴馬2頭を紹介する。

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■アカイイト

前走のエリザベス女王杯では10番人気の低評価ながら、3~4コーナーで大外をマクり、人気のレイパパレらが伸びあぐねるなかで圧勝して見せた。今年6月に3勝クラスの垂水Sを制して待望のオープン入りを果たしたが、そこからわずか5カ月足らずでGIホースの仲間入りをしているあたり、伸び盛りの4歳馬らしく右肩上がりの成長曲線を描いている。

やはり触れておきたいのは前走・エリザベス女王杯の勝ちっぷり。後方で構えた同馬は、前半59秒0のよどみのない流れのなか残り600mあたりで外から進出を開始し、残り1ハロンのところで単独先頭に立った。最後まで脚色は衰えることなく押し切ったあたり、持続力の高さと底力をうかがわせた。人気薄ではあったものの、フロックではないと見る。

懸念点といえば激戦のダメージだが、2週連続でしっかり時計を出していることから気にすることはなさそう。前回から300mの距離延長でキャリア初の2500mだが、充実期を迎えた今なら高いハードルではない。GIで再び波乱を巻き起こす可能性は十分だ。

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著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。会心の的中はキセキが制した2017年菊花賞の3連単55万9700円。

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