“中央農業高産”小麦使用のパン 東京・国立で販売

腕章を付けた中央農高生が売るパンを買い求める駅利用者ら=JR国立駅

 神奈川県海老名市内の耕作放棄地で県立中央農業高校(同市中新田)の生徒らが生産した小麦「ユメシホウ」を使ったバゲット(フランスパンの一種)などが、JR国立駅商業施設内のパン販売店「モンタボーnonowa国立店」(東京都国立市)で今秋から販売されている。同校の生徒8人が25日、同店を訪れ、パンの販売を手伝った。

 同校農業総合科の生徒らは2009年から、ユメシホウを生産。収穫した小麦は校外内のイベントで販売したり、食品加工実習で使ったりしてきたが、新型コロナウイルス禍で消費の機会がほとんどなくなってしまった。1年間に30キロ袋で50袋分生産されるが、2年間分が保存されたままになっていた。

 一方、燃料販売会社ミツウロコのグループ企業でパン販売店を展開するスイートスタイル(東京都中央区)が今秋、同店を国産小麦100%のパン販売店に衣替えすることになり、地元周辺産の小麦を求めていた。パン食の普及に取り組む大磯町在住の青沼一彦さんが両者を知っている縁で間を取り持ち、実現した。

© 株式会社神奈川新聞社